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(191) 株式会社ニューキャスト

カタログ・チラシ制作の自動化を追求した『DOT3Batch』を開発

川原 正隆氏

代表取締役
川原 正隆

印刷の前工程で最大のテーマは、DTP作業をいかに効率化・自動化していくかであるが、複雑なデザインや修正が多い組版では、効率化・自動化はなかなか難しいのが実態である。データを流し込めば終わりというのが理想であるが、実際はそう簡単ではない。そんな状況下、株式会社ニューキャスト(GC中部)では、カタログやチラシ制作でのExcel加工やDTP作業の効率化を追求した『DOT3Batch』を開発し、自社のワークフローで活用している。正確にスピーディに作業するためのワンストップDTPを実現した効率化支援ツールである。川原正隆社長に同ツールについて取材した。

株式会社ニューキャスト
愛知県名古屋市中区千代田3-1-11紀志屋ビル3B
http://xmldo.jp/

Excelデータの加工や流し込んだ後のDTP作業を含む一連の作業を自動化

『DOT3Batch』は、同社が開発した自動組版クラウドサービス『WPS.3』のPC版として開発されたもので、組版前のExcelデータの加工や流し込んだ後のDTP作業を含む一連の組版作業を、自動化するツールである。

「既にInDesignにはデータの流し込みは標準機能で搭載されており、また、他のメーカーでも同等のソフトウェアを提供していますが、Excelデータで支給されるケースが多く、Excelを加工する作業やDTP作業が必要になります。その際に当ツールを使うと、文字の変更や文字を貼り付ける位置など、さまざまな加工を自動的に行い、InDesignのデータに反映させて印刷データとして完成させることができます」と、単なるExcelデータを流し込むツールではないと川原社長は語る。

『DOT3Batch』は、InDesignで作成した複数のデザインパターンを専用プラグインで書き出すことができ、データを流し込む際にどのデータをどのパターンで流すかをExcelに追記し、各パターンを呼び出してInDesignに配置するというもの。

カタログ制作の場合、入稿されたExcelデータを修正するのは、人手が掛かる作業で時間と品質面で効率的ではない。自動化するには、組版する際にデータに対して決まりごとを設けて、その通りに組版するようプログラムしていく必要がある。その時に作業を自動化するためのルールをスクリプト化(ソースコードを記述したら実行するプログラムを作ること)していくことが求められるが、このスクリプト化をいかに増やしていくかがポイントになる。『DOT3Batch』でもスクリプト化を増やすことで能力がさらに向上し、自動化・効率化の度合いを高めることになる。

例えば、カタログの価格を変更する必要が生じて手作業で行う時に、別の数字を入力したり、数字の位置を間違えたりするケースが出てくる。それを同ツールだと、全て自動で入力し間違いを防止できるわけである。

「プログラムする際に、この価格をこの位置に、この文字をこの位置というデータの紐づけを行っていれば、あとは自動でデータを正しい位置に入力します。もちろん、最終の校正は人が行いますが、このツールを使いますと、人がデータを触る必要がないので間違いが発生しないわけです」とのことで、作業をスピーディにこなせるだけでなく、ミスを防止する効果もある。

チラシやカタログ等のDTP作業では、デザインパターンを作ってデータを流し込む作業が生じるが、流し込みの後にデザインの変更が求められることもある。人がそれを行うと作業時間を要し、また、入力ミスも生じる。しかし、『DOT3Batch』はExcelデータをページのどの位置に流すのかを指定すれば、欲しい位置にデータを並べながらInDesignで自動組版を行うというものである。しかも複数ページにまたがる組版にも対応している。

同ツールはプロジェクト単位で利用・保管できるので、別のDTP担当者への引き継ぎや、処理数を増やしたい場合にフォルダごと渡せば、同じ作業結果を得ることが可能なのも特長の1つである。

「当社では、お客様のカタログ制作にこのツールを実際に使用しており、効率的なDTP作業で作業負荷が軽減されていますし、正確なデータ加工で品質アップにつなげています」とのことだ。

①担当者がいなくなったらカタログ制作の手順やルールが分からなくなった。②ルールがありすぎて作業時間が掛かりすぎる。③スクリプトはあるが媒体ごとにバラバラで管理できていない。などの現場の悩み事を解決するツールに適している。

作業時間の短縮、校正の負荷軽減、品質向上に役立つDTP効率化支援ツール

従来のワークフロー(上)と『DOT3Batch』のワークフロー(下)例
従来のワークフロー(上)と『DOT3Batch』のワークフロー(下)例
ルールをスクリプトで記述しておくことで、普段手作業で行っている作業を自動でInDesignデータに適用する
ルールをスクリプトで記述しておくことで、普段手作業で行っている作業を自動でInDesignデータに適用する