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(160) 株式会社金羊社クリエイティブワークス

音楽をベースにクリエイティブな企画・制作で顧客をサポート

代表取締役社長
高堂 学氏

エンタテインメントパッケージ印刷のトップシェアを誇る株式会社金羊社が100％出資して２年前にスタートした株式会社金羊社クリエイティブワークスは、音楽を主体にエンタテインメント分野のモノづくりを行っている。特徴的なのは、独自の企画やアイデアで高品質の制作をモットーに、印刷物から出版物、映像、デジタルコンテンツ、広告等の企画、制作、販売を展開していることだ。最近、キャラクタービジネスにも乗り出した。音楽ビジネスをベースに独自の路線を歩んでいる同社の経営戦略について、高堂社長に取材した。

株式会社金羊社クリエイティブワークス

本社：東京都品川区上大崎2-3-2 SKハウス
http://www.kycreative.jp

新しい技術を使うアイデアと技術に囚われない自由な発想で制作を行う

株式会社金羊社クリエイティブワークスは、印刷や出版の紙媒体に拘らず、自由な発想で商品の企画から携わり、情報発信・制作・販売をトータルに展開しているクリエイティブ集団である。根底には、クライアントの売上アップやブランディングのためのサポートを行うことであるが、経営理念にしているのは、「クリエイティブに働き、クリエイティブな成果を残す、ということです。それがクリエイティブワークスという社名になっています」と高堂社長は言う。「新しい技術をいかに使っていくかというアイデア志向と、技術に囚われない自由な発想でコンテンツを創造する２つの方向で、事業展開しています」というのが経営スタンスだ。

技術というのは、親会社の金羊社が保有しているイングジェットプリンタやオフセット印刷機等の設備を使って、高品質な制作物を作ることを指すが、業界トップレベルの品質・技術を持つ親会社との連携は欠かせない。ハイグレイドなモノづくりは金羊社グループのモットーになっているからだ。

手掛けている商品やサービスは、音楽関連の書籍編集および発行、タブロイドペーパーによる情報発信、音楽情報発信サイトの運営など音楽産業に関するものから、ジクレー・アート作品、アート情報発信サイトの運営、アートブック制作・販売、オンデマンドの各種カスタムプロダクツ、大判プリント・SPグッズなどである。そんな同社では、最近、キャラクタービジネスに進出した。

「当社が開発したキャラクターを、お客様の商品を宣伝する有力素材として、さまざまな分野で使っていただくことが目的です。アニメであったり、お菓子のパッケージであったりと、様々な活用が可能です。『YYチルドレン』というキャラクター集団については、オリジナルストーリーによる絵本の刊行と同シリーズのテーマソングの原盤制作もしました」と、キャラクター開発とライセンシング業務を始めた。

その他に『完熟ソルジャー「熟 JOE!」』『ニャンコズ By Rainboｗ Pockets』『おもちエイリアン』『レコードお化け』と、さまざまなキャラクターを創出しているが、クライアントからの要望に合わせた新しいキャラクターを創作することも可能だ。

同社のベースは、親会社の音楽業界での強いパイプを利用したものと言えるが、音楽に留まらず、ネットワークを広げている有能なクリエイターたちをいかに活用し、顧客のビジネスをサポートするメディアやキャラクターを創造していくかが要になる。「作品を起点に営業力をつけていくことが今後のポイントになります」とのことだ。

さらに同社では、インクジェットプリンタによるアート作品、フォトブックサービス、オーダーメイド・カレンダーなどを制作しているが、「企画次第で付加価値の高い商品になる可能性があります」と指摘する。実際、プロ野球選手の写真を、ユーザーが専用サイトで選択し、自由に組み合わせられるカレンダーの企画等が好評を博している。また、オンデマンド印刷機を活用するに当たっても、「和洋様々なレストランの調理人47人を撮った写真集を出したのですが、本文の写真は同じにして、表紙だけをそのお店の調理人の写真にしたのです。すると、その調理人が主役の特別な写真集として、その店にとっては高い付加価値を付けられるわけです」と、新趣向の写真集を出した。このように、テーマを設けて新しいアイデアが創出できるのが同社の特徴である。既存の印刷ビジネスにも、新しい企画やアイデアを付加することの重要性を、同社の仕事から窺い知ることができる。

バリアブル・オンデマンド印刷でカスタマイズされた写真集を提供

YYチルドレン

調理人写真集

野球カレンダー

掲載号（2014年8月号）を見る