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株式会社暁和■“半歩先”を行く技術・活かし合い支え合うシステムで顧客を支援する

データの価値を高めるデータベースパブリッシングを得意とし、顧客に最適なワークフローを提案している株式会社暁和。いま新たなビジネスに取り組み、需要を喚起している。


代表取締役社長
齊藤 寛行氏(GC東京)

 

 

 


自動組版システム、データベース構築が得意分野

齊藤寛行社長は元来、社員数100名ほどを擁する有限会社イスズ写真製版(本社:東京都板橋区)の社長であるが、前社長で現会長の遠田潔氏に手腕を買われて招聘され、昨年、株式会社暁和の社長に就任した。「遠田会長とは懇意にしていただいたこともあって、それで事業を引き継ぐことになりました。ですから今は2つの会社を経営しているわけですが、両社は共に印刷業ですから、ゆくゆくはグループ化していくつもりです」と話す。

同社は、1994年より企画・デザイン・DTP 制作を主な事業にしてきた印刷前工程の会社である。近年はインバウンドの需要が増大したことで多言語組版も展開しているが、コロナ禍によって滞ってしまった。「コロナの感染拡大によって旅行代理店からの受注が途絶えていて、多言語組版の仕事はほとんど行っていません。コロナが収束し旅行が活発化してくれば、また多言語組版の需要が出てくるでしょう。ただし外国語の翻訳業務に関しては、自動翻訳ソフトの普及で以前ほどの需要はなくなってきた感があります」と、同社もコロナの影響で売上は落ちたという。

営業品目は雑誌や書籍、カタログのDTP 制作が主体ではあるものの、顧客のニーズに合った自動組版システムやデータベースの構築を得意にしているのが特徴だ。ここ数年はWebサイト制作、中でもECサイトの構築を手掛けるようになったという。「弊社のお客様は印刷会社さんや出版社さんがほとんどで、それらのお客様が受注した仕事を請け負っています」とのことで、そのため同社の営業先は印刷・出版関連業者であるという。

「印刷産業は情報産業として変わる転換期に来ていますし、ICT(インフォメーション&コミュニケーションテクノロジー)による情報発信業に変わっていくのかなと思っています。弊社としても柔軟に対応していく考えです」と齊藤社長は経営方針を述べた。

顧客に価値あるワークフローを提案する

そんな状況下、新たに進めている事業について話してくれた。まず、「昨年からデジタル教科書の制作に取り掛かっており、デザインからシステム構築までワンストップサービスで取り組んでいます。PCやタブレット上から教科書の内容を聞けるAIナレーションの導入も考えています。今後はデジタル教科書の需要がどんどん増えていくのではないでしょうか」と、デジタル教科書に期待を寄せている。

また、一般の電子書籍にもAIナレーションの採用を見込んでおり、電子コミックスを中心に出版社への提案に注力していくとのこと。AIナレーションという新たな機能を付加することで、電子書籍の需要を喚起し市場開拓していく考えだ。

しかもAIナレーションを取り入れた動画コンテンツをアピールするために、子ども向け日本昔ばなしの“動画絵本”コンテンツ「ほぼ1分童話シリーズ」を定期的に制作し、YouTube上にアップしている。アニメからナレーションまで全て同社で一貫制作しており、対外的にアピールしている。

「あまり先進的なIC技術やツールを提案しますと、お客様の理解を得られず受け入れられづらくなってはいけませんから、一歩先と言うよりも“半歩先”の技術・サービスを提案し、実際に使っていただけるシステムを導入してもらうよう心掛けています」とのこと。

その他には「Zoom会議が増えていて会議の内容を編集する仕事を受けていることから、今後はZoomに限らず動画編集の仕事も積極的に請け負っていくつもりです」と、動画制作ビジネスにも意欲を示す。

さらに、「出版社が書籍や雑誌の台割を制作するに当たって、テレワークでアクセスして制作できるものを開発しています。弊社のほうでデータをサーバーで管理し運営する仕組みで、ネット上で関係者が台割の情報を共有できるシステムになります」と、新たなオンラインの台割制作システムの開発にも着手しているという。このように同社は、顧客に価値あるワークフローの開発に取り組んでいる。

「いま印刷・出版産業にはIT企業が参入し、デジタル化の波が押し寄せています。相対的に言って印刷会社はデジタル化ではかなり遅れていますから、飲み込まれないように対応していかなければなりません。印刷産業は情報加工産業に転換していく必要があります。その際に弊社としては、お客様に適したデジタルワークフローをデザインしていくことが重要だと感じています」とデザイン経営の必要性を示唆する。

そして、「いま産業界はDXに取り組んでいて印刷産業も然りですが、弊社はまだまだ勉強を積んでいく必要を感じています。今後お客様にさらに付加価値の高い提案ができるよう、どのようなワークフローを提案していけばよいのか、お客様と共に考え作り上げていければと思っています」と、ビジョンを述べた。

① 営業会議の模様
② 自社で制作した動画をYouTube上にアップロード(㈱暁和のトップ画面)
③ 制作フロア。毎年デザイン学校から採用し、即戦力となる人材を豊富に擁している
④ Webサイトの制作では欠かせないコーディング作業も


株式会社暁和
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