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株式会社明友社■培ったDTP技術で学参分野のニーズに応える

数式など複雑な組版技術力で確固たる地位を築いている株式会社明友社。今日では、オンデマンド印刷、デジタルブック、教材アニメーションなど多彩なコンテンツ制作で学参分野を開拓している。鈴木裕社長に事業内容について話を伺った。


代表取締役
鈴木 裕氏(GC東京)

 

 

 


教材用アニメーション制作にも注力

昭和54 年の設立以来、学参物のDTPを手掛けてきた株式会社明友社。中でも算数・数学・理科といった理数系の組版は他の追随を許さない技術力があり、業界で確固たる地位を築いている。「学参物のDTPは一朝一夕でビジネスを確立できるものではありません。特に数式組版は高度な組版が求められますし、お客様からは厳しいチェックが入りますから、新参者が参入するのはなかなか難しいと思います」と、鈴木社長は学参市場の実情を話す。

取引先からはアナログ、デジタルとさまざまなデータが入稿されるため、それに対応していく必要があるが、実情は紙で入稿されることが多い。図版・トレスでは数式ソフトを使って双曲線編集を行い、テキスト入力・加工ではInDesignデータの作成、また、Photoshopを駆使して画像分解やスキャニング作業などを行う。組版・編集してデータを統合し校閲を終えると、取引先に出稿するというのが制作の流れになる。

近年は、顧客のニーズに応える必要性とデジタルコンテンツの普及に伴い事業の幅を広げている。オンデマンド印刷では、コニカミノルタのデジタルカラー印刷機とデジタルモノクロ印刷機の他、ホリゾンの断裁機、自動無線綴機、折機、ラミネーターなどを保有し、制作している。

「塾で使う特注の教材を一貫作成しています。各塾では複数のテキストから部分的に抽出して1冊のオリジナル教材を作るニーズがありますから、弊社のほうでオンデマンドシステムを構築し制作しています」と、小ロット教材の制作をオンデマンド印刷で行っているとのことだ。

いったん教材を作ると、デジタル化に移行するケースが多くなってきていることがあるため、制作した組版データをデータ加工処理したり、電子書籍を制作したりして、デジタルコンテンツ制作も請け負うという。

また、同社では新規開拓としてアニメーション教材に注力しているという。「教材用アニメーションをHTMLベースで作成しています。各種デザイン、キャラクターのイラスト制作、決まった動作や複雑な動きまでさまざまな要求に応えています。また、テロップやAIナレーションも含めて最適な教材アニメーション動画を専任のスタッフが取りまとめて制作しています」とのことで、デザインからワンストップで制作している。

デジタル化に応えていくことが重要に

市場でデジタル化が進むとペーパーレス化の動きは避けられず、紙面だけでなく各デジタルデバイスに対応せざるを得なくなってくる。そこで同社では顧客のニーズに応えて、PCやタブレット、スマートフォンなどへ配信できるデジタルパブリッシングのワークフローの構築を支援している。

また、PDFからデジタルブックを制作・管理・公開するオリジナル PDF Web Book Viewer「Libro+」を開発しプラットフォームとして提供している。「弊社が学参物の制作に長けていることから、教材メーカーさんや出版社さんが使いやすく、教材に特化した機能を搭載したデジタルブックを開発しました。今後、さらにバージョンアップしていく予定です」。

同ビューアは、印刷用データを有効活用したデジタルブック配信管理ツールである。もちろん、教材以外のカタログや広報誌などのライブラリとしても利用できるようになっている。

また、デジタルブック制作のほかにデジタルアニメーション(HTML5)など、各種デジタルコンテンツの制作を受注している。コンテンツには対話型と言われるInDesignのインタラクティブ機能を付加したり、リスニングプレイヤーデータ(英文カラオケ表示機能)を作成したり、イラスト、テキスト、音声を組み合わせて、フラッシュカードを制作することも可能である。

さらに、顧客からは Wordデータで入稿してくるケースが多いことから、Wordデータから自動でInDesignデータに変換する自動組版スクリプトサービスも行っている。「お客様の要望に合わせたオリジナルスクリプトを開発しており、短納期化と低コスト化を図ることができます。それにフォーマットデータの作成を指定通りにしますから、お客様からの複雑な入稿データは不要です。数式組版も美しく変換することができます」とのことだ。

「今後はデジタル化の移行を受けて、学参物の制作もデジタル化が活発化してきますから、その需要を掴んでいく必要があります。お客様のニーズも多様化してくるでしょうから、それに対してさまざまなデジタルコンテンツのサービスを提供すると共に、これまで通り正確で、美しく、低コストで制作し、弊社に仕事を依頼されるお客様の信頼に応えていくことが重要だと考えています」と、学参物を制作する立場として今後のミッションを述べた。

① 制作フロア
② デジタルカラー印刷機「bizhub PRESS C8000」
③ デジタルモノクロ印刷機「bizhub PRO 1200」
④ 三方断裁機(手前)と自動無線綴機、コンピュータ断裁機などを保有


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