制作お役立ち便利帳
校正に関するご質問

Q どうして類似フォントが数多くあるのか?(特に英文)

A

文書を作成する際にフォント指定をしようとすると、選択肢として類似フォントが多数表示され、どれを使ってよいかわからなくなる場合があります。また以前の文書作成でどれを使ったのかも覚えていられないこともあります。しかし一人の人、あるいは一つの会社でそれほど多くのフォントを使うことはあまりなく、文書作成の指針として代表的なフォントを決めておいた方がよいでしょう。

フォントの数が増えたのは、時代とともに過去の印刷用フォントの多くのものがパソコンでも使えるようになってきたからです。しかしそれは過去の印刷フォントを使っていた人、使いたい人には意味があることでも、今日の文書作成で必ずしも必要とはいえないでしょうが、一応なぜ増えたのかの説明はしておきます。その前に、フォントは見出し用(Display Type)と本文用(Body Type)に大別でき、ここでは本文用を取り上げます。

活字のフォント

特に欧文では同じ活字のフォントが異なるベンダーから提供され、しかもよく見るとデザインが微妙に異なっていることがあります。これは元の活字では同じ文字でも、活字サイズごとに源字を彫っていたので、同一文字のサイズ違いが同じデザインにはならなかったことがあります。そのために活字デザインをデジタルフォントにする際に、どのサイズの活字をベースにしたかでデザインの微差が出ます。実は文字の形は使用するサイズによって異なる非線形にデザインされた方が目で見て自然なので、こういうことが起こりました。例えば「はっぴょう」のちいさい「つ」「よ」などの促音は、小さい文字サイズで使う場合では少し大きめにデザインされました。デジタルフォントにした際にこういう配慮がどうなったかはベンダーによって異なります。どのベンダーのものを選ぶかは好みの問題でしょう。なるべく一般的なものを使うのが無難な線です。

写植のフォント

写真植字の時代にはネガの種字をレンズで工学的に変倍していました。この種字自体が太さ(weight)のバリエーションを多く持つようになっていました。

こうなった理由は、本文文字の紙面の「黒さ」を自由に選べるようにしたからです。同じ文字デザインでありながら、短い文は太く濃く、また注釈のようなところは細く薄く、というような使い分けがありました。写植では8~10段階のWeightがありましたが、パソコンでの文書作成では4段階くらいが多いと思います。

また一つの紙面で複数の異なるデザインのフォントを混ぜて使う場合には、文字部分の黒味が均一になるようにするためにWeightの選択をしたので、多くの太さの段階が求められたともいえます。

PANOSEシステム

似たフォントを探すための仕組みとしてPANOSEシステムというフォント分類法が考えられ、パソコンで使うTrueTypeフォントはそれを使うことができます。これはWebでも扱えるようになっていて、元の文書の欧文フォントが手元のパソコンになくても、すでにインストールされているもので最も近いものに置き換えて表示・出力できるはずです。日本語に関しては実際にどの程度使われているかは不明です。

PANOSE on the Web