制作お役立ち便利帳
写真に関するご質問

Q デジタル放送の色は信用してよいか?

A

アナログ信号が変化しながら伝わっていくのに対して、0か1かの組合わせであるデジタル信号は最初から最後まで変わら ないという性質があります。従ってテレビカメラがデジタルなら、そこで得られた色信号は、視聴者の画面表示までずっと変わらないので、色に関するカメラの特性と画面の特性が合っていれば、被写体に照明された色を視聴者が見ることが出来ます。この正確な情報伝達が行われているという意味では信用のおける映像情報です。

だから昔の家電売り場と異なって、今のテレビの色味は機種やメーカーが異なってもだいたい似ています。家電もパソコンでの表示でもほぼ同様の色規格が使われるようになったので、かつてはWebでの通販の商品の色は信用できないのが相場でしたが、今ではアパレルのECも普通に なっています。厳密に言えばテレビカメラから画面までの異なるシステムにまたがったカラーマネジメントは出来てはいないですが、色合わせの土台となるものは築かれてきましたので、放送や家電では個々の色合わせをしなくてもほぼ色が合うようになりました。

今ある表示色の差は、カメラ、ディスプレイ、プリンタなど個々の機材のデバイスカラーが異なっていることから来るものです。デジタルカメラの色空間指定にはsRGBとAdobeRGBとRAWの3種類があり、RAWがデバイス固有のカラー情報で、sRGBとAdobeRGBは、デバイスに依存しないカラー情報になります。パソコンで標準的なsRGBは、ハイビジョンのテレビの規格BT.709に対応し、アナログNTSC色信号の理想的な値の72%の色域をもつものと規定されています。AdobeRGBはこれよりも広いのですが、NTSCとは一致しません。

デジタルシネマの色規格DCI-P3ではNTSCやAdobeRGBよりも少し狭いくらいのところまで拡張しています。しかしテレビは4kとか8kの時代に入り、試験放送は放送規格BT.2020というさらにAdobeRGBよりも色域が広いものが標準になっていて、「自然界に存在する色はほぼカバーしている」といわれています。

参考:放送・シネマ最新規格ITU-R BT.2020

http://cweb.canon.jp/v-display/lineup/dp-v2410/feature-performance.html

参考:4K・8K超高精細度テレビジョン放送の標準化動向 - 日本ITU協会
https://www.ituaj.jp/wp-content/uploads/2016/01/2016_01_10_spot1.pdf

つまり家電であれIT機器であれ、今でもsRGBの色の範囲なら、それに適合したディスプレイを使っている以上は、デジタル放送とかそれに準じるパッケージメディアの色は信用できるといえます。このsRGBをAdobeRGBに変換することに無理はありません。これからの4K・8K時代にはAdobeRGBなどを上回るデジタル放送の色が基準になって、印刷もそれに合わせてカラーマネジメントをするようになるでしょう。