制作お役立ち便利帳
校正に関するご質問

Q 同じ紙面ファイルでもMac/Windowsの違い、プリンタの違いで、出力の一部が異なる。

A

紙面が作成されてからプリントされるまでは、いくつかの過程にわけられます。
PDFのように最終イメージが保証できるファイルの場合でも、以下①~⑤のような過程における状況の差で、何らかの微妙な違いが生じることがります。
そのために紙面データの確実な再現をするには、お互いのコンピュータ環境を揃えておくとか、そうできない場合は、お互いの環境を理解して、本番出力の前にテスト出力をして確認(校正)をしておくのが無難です。要するにデジタル環境でも校正が欠かせない場合もあるのです。

プリントに関連する環境の差は以下のような要因が関連しています。実際には④のプリンタドライバーの役割が最も大きいのと思います。

①アプリの画面で紙面を作成している。 - OSやアプリのバージョン差
②アプリのデータとしてファイル保存する。- OSやアプリのバージョン差
③プリントの指定をする。 - プリンタの機能差
④プリンタにデータを送る。 - プリンタドライバーの差
⑤プリンタ内部で紙面を組み立てる。 - プリンタのファームウェア差

①は、使っているパソコンOSによって画面表示プログラムが異なることから、アプリ側でそれぞれのOSの機能にあわせた処理を行っていますが、OSもアプリもバージョンが変わることで微妙な変化がありえます。MacはQuartzという作成機能をもっていますが、Adobeアプリではその機能を使わずにアプリ独自で処理することもあり、画面で同じことをしていても、AdobeアプリとOSの機能を使うアプリでは異なるデータ構造になり、②のファイル保存の時に若干異なることがあります。
一般的なDTPはAdobeアプリを使うので、MacでもWindowsでも同じ構造のファイルを作りますが、OSに依存するアプリではMacのQuarzに対してWindowsではWPF(昔のGDIに代わって)のグラフィック機能を使っていますので、どんな環境で作成されたか知っておくのがよいでしょう。

③は、プリンタによって機能が大きく異なるために、指定項目も全く異なり、最初に作成した環境で設定した項目でも、面付け・プリント順・表裏関係などプリント時には引き継がれていないことはよくあります。そのためプリント側には別途印刷や製本の仕様を伝えて、本番印刷時に再設定してもらうことになります。

④は、アプリのデータを指定されたプリンタ用にプリンタドライバーが再処理して送り出す工程で、Postscriptデータでもプリンタドライバーが対応していれば非対応プリンターでも出力できます。一つのプリンタでも高度な機能を持つものは、目的に合わせたいろいろなプリンタドラーバーが選択できるものもあります。WindowsファイルにはWPF用を、DTPにはPostscript対応を、という使い分けが一般的です。
WindowsのWPFではパソコンのGPUの機能を使って画面表示や印刷も行なえるので、安いプリンタでも高速出力できる場合があります。

⑤は、プリンタの固有問題なので、何か不具合が起こってもその場では対処できず、④③②①を遡ってデータの修正をするしか手の打ちようがないでしょう。

こういった問題をなるべく避けるために、オフセット印刷が目的の場合は、PDF/X-1aやPDF/X-3のようなデータのチェックに対応したファイルを最初から作ることが行われています。(参考 Q : プリフライト・チェックと校正は違うのですか?
例えばMicrosoftOfficeでpdfを指定してファイル保存をすると、フォントによってはビットマップになってしまう場合があり、高解像度の印刷には不向きになります。これらはプリフライトチェックによって事前に判別できます。