制作お役立ち便利帳
写真に関するご質問

Q 既存の静止画を 4k8k 映像の中で使いたい

A

いわゆる4k8k映像とは、記事『デジタル放送の色は信用してよいか?』に説明があるBT.2020という国際規格で解像度(4k=3840x2160、8k=7680x4320)、色のビット深度、色域、ダイナミックレンジなどが決められていて、印刷関係では標準的なAdobeRGBよりも色域を広くとることができます。そのためにカラーマネジメントの観点から、従来AdobeRGBなどの作業環境で制作されたものが、4k8k映像の中でどのような見え方になるのかを知るには、BT.2020対応モニターが必要になります。

 

国際規格

フルHD (1920x1080)
BT.709

4K/8K
BT.2020

4K/8KHDR
BT.2100

解像度

フルHD

4K、8K

HD、4K8K

ビット深度

8-bit

10または12-bit

10または12-bit

フレームレート

最大60p

最大120p

最大120p

色域

Rec.709

Rec.2020

Rec.2020

ダイナミックレンジ

SDR

SDR

HDR

これらのうち各色は10~12-bitと増えますので、まず手もちのPhotoshopなどが対応しているかの確認が必要でしょう。4k8kの標準動画像として、NHK放送技術研究所の8kカメラで撮影された映像素材「超高精細・広色域標準動画像Aシリーズ」があります。これはDPXフォーマット非圧縮ですが、Photoshopの環境(バージョンやOS)によってはプラグインを使わないと読み込むことができないともいわれてました。

これらの標準動画像は、電車、道路、製鉄所、祭り、自然風景、舞妓、和装などのバリエーションがあり、それらと比較して静止画のガンマやコントラストをあわせる練習をするのがいいと思われます。ただしBT.2020対応モニターを使わなければ、4k8kの表現に比べると彩度が低く見えるはずです。BT.2020対応モニターはまだ非常に高価でそれに対応したカラーマネジメントもあまりなく、編集時のみレンタルで使うことができます。

注意すべき点は、上記はNHKが作ったものなので放送用であり、デジタルシネマや映画のネット配信はまた異なるガンマ特性を使っていることです。これは報道目的ではなるべくありのままの情景を伝えようとするのに対し、クリエイティブ分野は人間の視覚特性を前提とした絵作りをしているので、後者の方が高コントラストな感じになります。BT.2020の次のBT.2100という規格では、これら2種のガンマ特性もHDRの中で規格化し、報道の世界と映画の世界が一つの規格になろうとしています。

ちなみに従来のテレビでは色の信号が8bit(256段階)あったとしても、ディスプレイの性能上で明暗の段階が0~100であって、黒が黒く出ていないといわれていたのが、有機ELのモニターになると各色10bitに対応して、明暗のトーンの表現が0~10000とか非常に豊かになり、印刷物以上に深みのある表現になります。例えていえば名画の複製よりも有機ELの方が本物に近く見せられるような、静止画の表示としても使われる方向になるかもしれません。