制作お役立ち便利帳
印刷物の制作に関するご質問

Q オンデマンド印刷とは何か

A

オンデマンド印刷とはデジタルプリントによる印刷物製作のことです。プリントならページごとに内容を変えられるので、印刷後の帳合が必要なくなり、製本など印刷後処理が楽で早くできるようになります。文書がデータとして保管してあれば、いつでも必要な部数の印刷物ができることになります。デジタル印刷、POD(Print On Demand)とも呼ばれています。

従来のオフセット印刷などとの違いは、印刷機ではセッティングのような前作業がかかるけれども、大量に製作するほど割安になるのに比べて、オンデマンド印刷は1部から必要部数が作れるわけですが、基本的には単価は一定で、大量にプリントしても割安になりにくいでしょう。

一方オフセット印刷などでは、あとから100部追加でほしい場合にも、最初のセッティングをやりなおさなければならず、その場合に時間もコストもかかります。そのためにオフセット印刷では必要見込み数よりも多めに印刷し、ある程度の使い残しも出てしまいがちです。

ある文書の必要数が毎週200部とか500部の場合に、1年分の万という部数をいったん発注してしまうと、印刷物の保管や在庫管理をしなければなりません。そこで毎週なり毎月の必要数だけをオンデマンド印刷すると管理が非常に楽になり、また不足する事態も避けられます。

印刷物の内容はしばしば変更が起こり、残っている在庫を処分し、新しいものに差し替えことになりますが、例えば新版を「メーカー→代理店→営業部」というように順次送付する場合には、差し替えの作業も時間や手間がかかり煩雑で、管理コストが高くなってしまいます。オンデマンド印刷で小ロットづつ供給していれば、随時更新が容易になり、情報更新のタイムラグを最小にできます。

オンデマンド印刷は、最初はコピー機による文書作成と、本格的な印刷の中間的な部数を処理するのに使われていましたが、プリンタの性能向上とともに利用範囲を広げています。従来はビジネスフォームをあらかじめ印刷しておいて、それに後からプリンタでデータを打ち込んでいた帳票分野から、比較的部数の少ない出版物までオンデマンド印刷で行われるようになっています。

オンデマンド印刷の応用

オフィスにあるプリンタの機能に『簡易製本』がありますが、帳合や製本機能をもっと高度化し、高速化・大型化したものをオンデマンド印刷機とかデジタル印刷機と一般に呼びます。これらの先駆けとなったのが米国ゼロックス社が開発したDocuTech(冒頭写真)で、その後日本の複写機メーカーも開発競争に加わり、カラーの品質向上、製本システムとの連携などによって、印刷分野でも使われるようになっています。

ただしオンデマンド印刷がボタン一つで即時にできるようにするには、印刷物1点ごとにサイズや製本仕様が異なるとか、使用する用紙が特殊であるとか、カラーの校正が必要などの、従来の印刷では毎回検討して決めていた物理的要件を、書籍でいえば新書版・文庫本のようにあらかじめ類型化・標準化して絞り込んでおく必要があります。

過去に作成されたさまざまな形態の文書も、ページをスキャンしてデータ化しておけば、類型化・標準化したスタイルにあわせてオンデマンド印刷できるので、全文書のペーパーレス化を進めつつ、どうしても紙で必要なものはオンデマンド印刷するという利用方法もあります。