制作お役立ち便利帳
文字に関するご質問
一流のDTPなのに文字組がきたない(縦組み)

日本語は元は縦組であって、文字は原稿用紙のようにマス目に並ぶような組み方がされていました。そこでは数字には漢数字が使われ、桁の表示も十百千万億のように漢字で表すものでした。しかしカタカナ語の増加と共にアルファベットや算用数字・英記号も日本語表記の中に増えて、それを縦組でどのように表現(組版)するのかについては、いくつもの方式が生まれました。
この例では、WCCやWHOなどの略語ではアルファベットを縦に並べていますが、数字2桁の場合は左の例のように縦中横の組み方をしています。また括弧(パーレン)類は右の例では全角ですが、左の例では2分(半角)になっています。これらはどちらが良いか悪いかという問題ではなく、文章中に出現する記号・約物・数字・アルファベットなどの扱いについて、何らかの統一がされていますので、読みにくさとか見っとも無さにはなっていません。
それには原稿を書いた後で、それらの統一をする作業が必要になり、「【Q】一流のDTPなのに文字組がきたない(横組み)」と同様に原稿整理を行っているからです。特に横書きのワードプロセッサで原稿を書いている場合は漢数字とか縦中横を気にすることはありませんので、それらを縦組みにする際に統一を図る作業は増えていしまいます。
出版制作の段階では、プロの編集者や校正者が原稿をチェックして統一的な使い方になるように整理してからDTP作業に入りますが、もし原稿整理がされていないとプロのDTPソフトで統一感のない、紙面の中のアキにムラのある文字組になってしまいます。
オフィスの文書を縦書きにすることは滅多にありませんが、横書きの原稿を集めて縦組の出版物を作る場合には、原稿整理は2段階になる場合が多いでしょう。まず一旦文字原稿をプログラムによって記号・約物・全角/半角 など一括変換をして、さらに縦組に適切な文字や記号になっているかを人が再調整する必要があります。