制作お役立ち便利帳
写真に関するご質問

Q 動画撮影時の映り込みに注意すべきこと

A

動画撮影をしている最中に、背景にたまたま街中のポスターが小さく映ったり、街中で流れていた音楽が録音されることがあります。そのような場合でも形式的には著作権法上の複製に該当しますが、2012年の著作権法改正により、メインではない扱いの「付随対象著作物」については著作権侵害にはならないことになりました。

看板やポスターの映り込み

あくまで他のものを撮っていたら映り込んでしまった場合が付随対象著作物としての正当な範囲であるので、看板やポスターをメインに撮っていたら他人のコンテンツを勝手に使うという著作物の違反になります。例えばブログにポスターや絵画を掲載する目的で街中のものを撮影したら、原則として著作権者の許諾が必要となります。

商品のロゴやキャラクターの映り込み

本来の撮影対象に付随してロゴや漫画のキャラクターが映り込んでいるなら、商標権の侵害にはなりません。しかしロゴや漫画のキャラクターが写っている情景の写真をステッカー等として販売する場合は商標権の侵害です。漫画のキャラクターの顧客吸引力を利用するとか、あたかも自社の商品の一部のように扱うことは許されません。

有名人の顔などパブリシティ権

看板・ポスターでは芸能人の姿が大きく写されている場合があります。これにはパブリシティ権があるので、その前で自社の商品の宣伝などをするのはNGになるでしょう。あくまで看板・ポスターが表現の中の軽微な構成部分となるものに限ります。たまたま映り込んだので撮影等の対象から分離することが困難であるものが「映り込み」の範囲であり、大写ししたものを公表するのは著作権者の利益を不当に害することとなるでしょう。芸能人のパブリシティ権侵害の損害賠償は高額になります。

通行人が映り込んだら?

肖像権とは、人には顔や姿をみだりに撮影されない自由があり、本人の許可なく撮影したものを公表することはできないとするもので、有名人だけでなく一般人でも同様です。通行人が小さく映り込んでも勝手に公表する法律上は肖像権の侵害になるのですが、それとは別に、風景の一部として個人が判別できない程度に写っている場合は、損害賠償請求はでき難いので、問題となる可能性は低いでしょう。
これはあくまで公道・公園など公共の場所でのことで、外から家の中を覗くような写し方は、小さく映っていてもNGです。また特定の人をフォーカスして追っかけて写していると問題になる可能性は高くなります。

肖像権のトラブルにならないようにするには、撮影中であることを周囲にわからせるとか、声をかけるなどを事前に行うのがよいでしょう。街頭インタビューをするのなら、撮影の目的・利用範囲を明らかにします。どうしても了解を得ない映像を公表する際には、モザイクをかけるなどの処理をします。

参考:文化庁 平成24年 著作権法の一部を改正 付随対象著作物について
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/utsurikomi.html