制作お役立ち便利帳
写真に関するご質問

Q 絵画を画像データにしたい

A

絵画の状態やデジタル画像の利用目的によって、デジタルカメラで撮影するかスキャニングするか、どこで行うかなどを決めて、デジタル化の方法を考えなければなりません。また絵画の種類によって、それぞれにふさわしいライティングのテクニックが必要です。利用目的が複製画の製造である場合には、絵の具の凹凸が大きい場合などで立体的な再現をするための特殊な計測が行われます。このようなことから作業実績のある業者を選ぶことになります。

一般には図録用の写真原稿である場合が多く、デジタルカメラで撮影ができますが、ライティングに注意が必要です。美術館など展示場所では、入館者が見た印象のように撮影することになるでしょう。展示場所の室内が暗めだからストロボや直接のライトをあてると不自然になります。画家のアトリエは北向きの窓の光が常識なので、そのつもりでライティングします。

展示物ではなく、所蔵品のアーカイブとか、持ち出せない作品の調査目的の場合は、見た目のきれいさよりは現状を正確に撮影することが求められるでしょう。そのために精密な計測が必要で、特殊なスキャナが使われることがあります。描かれた当時の復元や色材の判別の目的の場合もあります。

個人コレクションの場合はどこで撮影するかも問題でしょう。ライティングの設置が困難な場合は撮影スタジオへのもちこみになりますが、運送・梱包などの取り扱い上のリスク問題があるので責任を分担し、保険付の専門運送業者に依頼するか、直接持ち込んでもらい、撮影に立ち会ってもらって、持ち帰りいただくことになります。

図録用であっても、油絵、アクリル絵具、水彩画、デッサン、版画、など描かれる材質がキャンバス、紙、板など多様ですので、それら材質感どの程度表現するのかも確認してライティングする必要があります。例えば油絵には油膜があるので、その透明感が必要なのかどうかは作品によって異なります。また紙が変色している場合に、そのままの状態を撮るのか、紙色は修正するのかという判断もあります。

撮影機材は一般のデジタルカメラ以外にアート専用カメラもあります。GoogleのArt Cameraではロボット制御で絵画を至近距離から何百枚も撮影し、それをつなぎ合わせることでギガ画素の高精細な画像を作成しています。同時にレーザーやソナーシステムによって正確なフォーカスでの画像撮影をしています。

特殊なスキャナを使う場合は専門業者(例:株式会社誠勝)に依頼することになります。例えばドイツのImage Access社の WideTek36Art は、対応サイズは914×1,524mm、厚さ最大100mmまで取り扱え、キャンバスやパネルのような厚みのある作品とか、A0、F50サイズの大判作品のほか、書画や掛け軸など長尺の作品、のスキャニングが行えます。

参考として、複製画を作る場合は、凹凸の情報が必要ですので、レーザー計測による3Dスキャンを行います。

参考サイト リコーの2.5D写真印刷技術(立体複製画制作技術の応用)

立体複製画制作技術を開発

スキャメラ