制作お役立ち便利帳
データに関するご質問
ARはどんなところに使えるのか。
バーチャルリアリティ(VR)はコンピュータがリアルタイムに処理する3DCG映像環境の中に人が入ってゲームやシミュレーションを体験するものであるのに対して、AR(Augmented Reality)は人の目の前にある現実世界に重ねて3DCGを投影することで、現実の光景にVR的なものを付加することから、拡張現実とも呼ばれています。VRもARも30年ほど前からある技術ですが、今ではスマホやタブレットにあるカメラと描画機能を使っても、これらに必要な映像処理が可能になり、また3DCGを制作するにもオープンソースが充実し、ARアプリを作るキットも登場して、モバイル対象の販促にもこれらの応用が見られるようになりました。
参考:ARアプリ開発
ARアプリというと、販促ではQRコードからWebサイトに飛ばして動画などを表示するとかアプリを起動させるものに代わって、スマホのカメラで写真・図版・ロゴマーク・看板などの画像を認識してWebサイトと連動した表示やアプリが多く使われていますが、これが本来のARではありません。これらは印刷物の一部などを起点として、その画像にネットから得られた別の情報を重ねて3Dで立体表示したり、それを利用者が動かすためにAR技術を使っています。従来の印刷物の販促では見ている人がどのような反応を示したかをリアルタイムに知ることが出来ないため、ネットとモバイルを使う販促に誘導する手段としてARが使われているわけで、ARのうちの限定された利用法といえます。
印刷物とARの応用としては、マニュアルや説明書を持ち歩く代わりに、それらの内容が必要な時に必要な分だけモバイルやウェアラブル端末に表示されるような用途が考えられます。現在のARの産業応用は軍用とか医療関係などの高度な分野で行われていて、航空機から地上を見た場合に建物の種類とか名称が重ねて表示されるとか、手術の執刀医が患者の体にあわせてX線画像の患部が表示されるなど、「現実」に情報を付加して正確な作業ができるようにしています。
これに近いものでは博物館などの展示物をスマホで撮ると画像にあわせて説明が出るとか、3D表示を動かせる、関連した動画が映るなど、ペーパーレスの説明が取り組まれています。展望台などでは見える光景に対する説明をARで重ねて表示することもできるようになるでしょう。今のARでは、前者のようにあらかじめ決められた図形を見つけ出すことで情報提示する「マーカー型」と、後者のように現実環境に実在する物体や空間そのものを識別し情報提示する「マーカーレス型」があります。カタログの商品をスマホで撮って自分の部屋に置いてみるのはマーカー型です。印刷物をマーカーにする方法が技術的に成熟していて最も取り組みやすいものです。
手のひらにスマホをかざすとキャラクタが現れて歌って踊るのはマーカーレス型です。これはGPSや方位や傾きなども併せて処理することで、人の姿勢や動きに応じた情報提示ができることになります。印刷物を用意できないような場所ではマーカーレス型が使われますが、計算量が多いとか難易度が高くなる傾向があります。観光地などで目標物が決まっている場合には、マーカーレスARとGPSを組み合わせた観光案内で、それに周辺のイベント情報を提示したり、利用者の行動のログを取って何らかのサービスをするものがあります。
今のARはまだ高度な応用と、スマホなどの販促やエンタテイメントといった大衆的な応用に2極分化していますが、これからはその中間にある業務マニュアルや学習用や商品カタログの分野などでも、スマホやタブレットで多角的な情報が得られるAR・VRに順次取り組んでいくものと思われます。
