制作お役立ち便利帳
発注に関するご質問

Q 印刷の際のDTPデータは印刷物と一緒に納品してもらえるか?

A

印刷までの制作工程がアナログの時代から、印刷物を製造する過程で必要な、活字、凸版、印画紙・製版フィルム、印刷版材などは製造にかかわる会社に所属するもので、印刷物の売買には含まれずに、印刷発注は印刷物を納品すると終了する請負契約でした。このことは制作工程がデジタルになっても変わっておらず、DTPデータなどの中間生成物としてのデジタルファイルは、法的には制作にかかわる会社に所属するものです。

最近はネットやいろいろなメディアで印刷物と同様のデータを使うニーズが高まっているので、デジタルデータの納品も行われていますが、完成した印刷物と一緒にDTPデータや、画像などの加工した素材データが必要な場合は、発注の際の契約書や注文書に特約をしておく必要があります。この場合は必ずしも印刷用の最終データではなく、編集校正済みのデータの再利用や素材としての利用が主眼になりますので、中間データを使いやすい形に加工して納品してもらう方が便利になります。

実際問題として、中間で生成されるデータとはAdobeのツールで扱うものであったり、CMYKに分解され特定の印刷機向けにカラーマネジメントされたりなどして、そのまま発注者が他の目的に活用できるものではありませんので、最終出力の前のRGB画像などの方が使いまわしができますし、また別途の利用法が決まっていれば、それ用にサイズ・解像度なども一定に揃えるようなデータ加工の依頼を発注時の特約に入れておかれることをお勧めします。

これは中間データの保管に関してもいえることで、印刷受注側では次回発注を見込んで慣例的に一定期間はDTPデータなどの保管を行っていますが、法的には必ずしも保管しなくても構わないものです。よって、発注者側が契約時に特約でDTPデータも納品してもらって自分で管理することも可能ですが、中間データを作成するのに使ったソフトウェアやフォントが揃っていないと、文字修正ができないとか、制作会社と同様の再現出力ができないこともあります。

再利用の目的に相応しいデータ納品とともに、印刷再発注のための「保管契約」も事前に両者で協議して特約に盛り込んでおくのがよいでしょう。

Q 自費出版をしたいのですが、何を用意すればよいでしょうか

A

自費出版の制作や流通をどこかにお願いする際に、どれだけの準備がされているのか、真の目的は何なのか、予算の制約はどれくらいかを説明する必要があります。すでにどれだけの準備がされているのかによって、何百冊かを作るのにかかる費用が数十万円なのか数百万円なのかが異なってきます。またページ数が多いとか印刷製本の品質にこだわれば費用はさらにかさんできます。

一方で、今日ではスマホやタブレットで読む電子書籍の形式の自費出版もできますので、その場合は印刷製本の費用を省くことができます。

準備の状態

1. 完全原稿
過去に新聞・雑誌の連載などがされてデジタルの原稿データが存在する場合は、費用はほぼDTP制作費と印刷製本費用だけになり、発注先を探すことは難しくありませんし、費用もページ数が少ないなら数十万円で何百冊ができるかもしれません。(写真の加工や図版作成は別途)
2. 文字原稿のみ
自分でワープロ入力したような文字のデジタルデータが存在する場合、あるいは手書きで原稿用紙に書かれたものの場合は、誰かに読んでもらってチェックを受けているなら、編集・校正作業が軽減できますが、まだ誰にも読まれていない原稿の場合は、たとえデータが存在しても編集・校正作業を依頼する方が賢明です。その費用とDTP制作費・印刷製本費用が必要になるでしょう。文章の書き直しが必要になった場合などではかなりの費用がさらにかかってしまいます。
3. 資料のみ
まだ一連のまとまった原稿の形にはなっておらず、部分的な文章、音声テープ、ビデオ、写真などの資料から整理して本の形式にまとめたい場合は、編集校正と合わせて企画の手伝いをお願いしなければならず、制作期間もそれなりにかかるために、制作・印刷・製本代金の合計と同じくらいの別途企画・編集費用がかかるかもしれません。
4. おまかせ
このような本を作りたいというイメージがあるだけで、手元に何もなくて、資料探しとか、インタビューとか、写真撮影も含めてすべて外部にお願いする場合は、トータルに引き受けられる編集プロダクションのようなところに依頼することになり、商業出版と同じくらいのコストがかかるでしょう。

自費出版の目的が会社の歴史や業績の記録などの場合は、商業出版と同等の費用をかけて立派な本を作ることが行われます。一方、個人の趣味嗜好や体験記の場合は予算が限られますので、書店で売れるとか印税が入ることで費用の一部をまかなうことをうたう自費出版専門業者も居ますが、販売目的で自費出版をすることは非現実的です。

むしろ費用を抑えたいならば、今なら印刷が不要な電子書籍(KindleのKDPなど)を先に出して、読者の反応をみてから紙の出版物を考える方が賢明でしょう。最近ではDTPと同時に電子書籍用のEPUB3の制作もできる業者に依頼することも行われています。

Q 園児が画用紙へ描いたモノを卒園アルバムに掲載したい。

A

幼稚園などで、卒園アルバムの表紙を、それぞれの園児が描いた絵から作成するとか、中に自分の作品を掲載するページを設けるような、「パーソナライズ」したアルバムにして記念品としての価値を高める場合があります。

園児の絵はそれぞれ1点しかプリントされないので、カラーコピー機でも複製できそうですが、表紙を巻く場合はアルバムの判型よりもかなり大きなサイズが必要になるとか、コピー機では用紙の種類が自由にならないために、カラーコピー機ではなくプリンタが使われます。

また1点1点の「校正」は行われないために、個々の画質の調整を考えずに、しかもやり直しをせずに、一律に制作する必要があり、以前は反射型のスキャナなどで画像の取り込みをしていました。スキャナでは紙面のどの場所でも一定の状態で照明ができるので、繊維や用紙などの素材感も含めて画像化できるからです。

近年は反射物もデジタルカメラで撮影するようになってきましたが、画用紙のような白紙でありながら紙の地合い(凹凸)模様がある素材では、照明のムラが画像に現れやすいので、照明をよく調整して慎重に行う必要があります。幼稚園の先生方が仕事の片手間にデジタルカメラで撮影した画像では、一つの画用紙の中でも明暗の差が起こりやすく、また撮影した時間の差や、個人差などで一枚一枚に画質の差ができがちです。

そのために、デジタルカメラでもボックス型の簡易スタジオのような照明が安定した装置を使うか、そういったことができる業者に画用紙を持ち込んで一律に安定した撮影をしていただくのがよいでしょう。

参考:簡易スタジオ
http://www.lpl-web.co.jp/products/input_studio_ws50sp.html

Q 印刷用入稿ファイルの画像はCMYKでなければならないのか?

A

製版工程から印刷工程への受け渡しは、フィルムの時代からCMYKの分解フィルムで行われていたので、印刷の側での刷版製版の調整(ドットゲインの補正)や印刷の品質管理もCMYKで行われる慣行が長くありました。そこで「【Q】印刷の際にPDFで入稿すると、何がいいのか?」にあるように、印刷会社へ入稿する際の統一フォーマットとして、使用できるカラーはCMYKか特色のみでRGBは使用できないPDF/X-1aが一般的に使われています。PDFワークフローでなくても同様の理由でCMYKでの受け渡しが主流でした。

ただしCMYKでの製版から印刷への受け渡しは、それぞれの品質管理を理解しあっているような、取引の続いている特定の会社同士の場合は問題ありませんが、初めての取引の場合にはカラー品質に関する責任範囲が曖昧になってしまいます。そこでカラーマネジメントを製版から印刷まで一貫したものにするためにRGBのワークフローを採用する場合もあり、その時にはICC付のRGBカラーにも対応したPDF/X-3が使われます。

例えば雑誌の広告のように一つの製版データがいろいろな場所で印刷される場合には、個別に色校正をチェックするわけにはいかないので、日本雑誌協会が開発したオンラインで色校正レスのワークフローであるJMPAカラーに沿って入稿するようになってきていて、そこではPDF/X-3をベースにしているのでRGBカラーの扱いも可能です。

PDF/X-3はPDF/X-1aの上位規定になり、JMPAカラー以外ではPDF/X-1aも扱うので、PDF/X-3あるいはPDF/X-4が普及してもPDF/X-1aが使えなくなるわけではありません。今のところPDF/X-3はRGBワークフロー用と考えて差し支えないでしょう。RGB画像を含む入稿もカラーマネジメントがされていることが前提ならば根本的な問題はありませんが、カラーマネジメントがなければ再度従来のような色校正による確認が必要になるでしょうから、RGBにするメリットは特にないと思われます。

製版印刷ともにカラーマネジメントが普及して、プリンタやモニタが管理されるようになり、印刷の色合わせも現場の勘と経験に代わって計数管理になれば、デザインや制作段階でも完成品の色味があらかじめ予測できるようになり、RGB画像のまま製版を終えることが多くなっていくでしょう。その方が色校正が減り、コストや時間面でも有利になるからです。

参考情報
JMPAカラー原稿制作の導入方法

Q 電子出版のフォーマットにEPUBを採用するメリットは何ですか?

A

EPUBは世界の電子出版の主流になった国際電子出版フォーラム(International Digital Publishing Forum、IDPF)が公開している電子書籍フォーマット規格で、日本の縦組みにも対応したEPUB3.0以降は日本の電子書籍の主流でもあります。日本ではケータイ電話の時代から電子出版が行われていましたが、各通信キャリアごとに規格が異なっていたために、出版側にはいろいろな不都合がありました。EPUBはこういう問題に対して標準化で解決しようというものです。

現在はスマートフォンやタブレットが対象になり、Webがどこでも見られるようになったと同時に、WebのHTMLと親和性のあるEPUBフォーマットが電子書籍の標準フォーマットとなり、PCでもiPhoneでもAndroidでもEPUBを読める環境ができてきました。EPUBは特定の装置に依存しないフォーマットとして進展しています。つまりEPUBを採用すると、電子出版が日本の通信やIT企業の個別各社の都合で変更や廃止にならないことになります。

日本ではまだ一太郎とかが全盛であった1990年代初期に使われ始めたWebでの表現のためのHTMLは、今でも当時のページが閲覧できるように、現在のEPUBから今後バージョンが上がったとしても、過去のフォーマットは将来でも閲覧できるようになります。またKindleやKoboなど独自の電子書籍サービスを行っている場合でも、そこへの入稿はEPUBが前提になっていますので、制作サイドもEPUBを採用すれば汎用性は高くなると考えられます。

ただし現状のEPUB3で表現可能なことは、電算写植やInDesignで行ってきた日本語組版からすると、ごく基本的な機能としての縦書きとルビと禁則処理しかありませんので、今までの紙の出版物をそのまま電子化しようという目的には合いません。そこで日本の現状としては、文芸もののように文字中心の書籍か、あるいは漫画のような画像中心の書籍に2極化して使われています。

これからのEPUBの取り組みは、マニュアル、ビジュアルなカタログ、また雑誌などが考えられていますが、紙媒体と同じ体裁での電子出版を狙うならPDFの方が正確であるので、むしろ従来はWebで提供していたような内容を、書籍や雑誌のようなページごとのレイアウトにして、文字の可読性も紙媒体に近い方で提供するような用途が検討されています。

雑誌の場合は動画やスライドショウ、ARのようなリッチコンテンツや広告と連動したマーケティングも電子出版に関連づけることができますが、これらに関して標準規格があるわけではないので、自己責任となります。

EPUBの利用は印刷表現の問題よりも、ネットを介した伝達が使えることの利点を考慮すべきで、電子書籍なら閲覧者はいつも最新版を見ることができるからです。印刷物のように年度版の更新やそれに伴う配布が必要なくなるというのがEPUBによる電子出版のメリットとなるでしょう。

Q オンライン入稿とはどんな方法ですか?

A

電子メールにデジタルファイルを添付して入稿することには、伝送速度が遅いことや、容量制限にひっかかりやすいことや、取り扱いの間違いが起きやすいこと、第3者に漏れやすいセキュリティ面や、不達やファイルの破損のような信頼性など、トラブルにつながりそうないろんな問題がありますので、デジタルファイルの高速で信頼のできる交換方法・サービスがいろいろ提供されています。それらを利用して入稿するのがオンライン入稿です。

殆どの場合はメールも含めてサーバーにアップロードしたものを別の場所でダウンロードするので、サーバにログインするIDやパスワードが必要になり、事前にメールなどで連絡をつけておいてからファイル転送を行います。
これには単純にAさんからBさんにファイルを送るだけの転送型から、もっと多くの人たちの間でファイルの閲覧・利用ができる共有型、また制作ワークフローに組み込まれた投稿型、新聞広告や雑誌広告のデジタル送稿専用サービスまでいろいろな方法がありますので、その中から目的に合わせて使い分けるのがよいでしょう。

転送型

古くからあるのは無料のFTPのようにファイル転送専門のサーバーを使うもので、サーバー側でアカウントや利用権限の設定が必要になります。FTP自身では暗号化はしていないので、必要ならばSSLなどと組み合わせて使います。

サーバー側の作業が不要なのが「宅ふぁいる便」のようにブラウザでWeb上の操作でできるものがあります。暗号化にも対応していて、有料サービスに加入していればアドレス帳、開封通知、ダウンロード通知、送信履歴などの管理ができて、常時使う上で便利です。

共有型

最近増えたのがクラウドのストレージサービスで、10GBくらいまでは無料のものが多くあります。これはスマホやタブレットでも写真・音楽・動画などの大きなファイルを扱えるので、それらとPCの間のやり取りによく使われますが、このクラウド上のフォルダを他のユーザにも閲覧可能にできますので、もっとも手軽にファイル共有できる手段となります。

GmailとシームレスにつながっているGoogleドライブ、ローカルのフォルダと同期するDropbox、またセキュリティを強化したもの、無料でも1TB使えるものなど多様なサービスがあります。ただし無料のサービスは突然利用できなくなったり有料サービスに移行を促されたりしますので、継続利用には注意が必要です。

投稿型

一般の人でもブログを書く方が多くいるように、ブラウザで扱えるWebの簡易編集システムを使って、そこにログインしてもらって文章や図版写真などの素材をアップロードしてもらう方法があります。この場合は単に入稿にとどまらず、その後の編集・校閲・校正といった作業も同様にログインして複数の人がWeb経由で協同作業を行えるので、ネットワークの上での制作ワークフローの一部になっているシステムともいえます。ここから自動でPDFファイルを作って印刷状態の確認をするような、制作時間の最短化を目指す利用法もあります。

広告のデジタル送稿もワークフローの一部で、最短期間で間違いなく仕事ができるように最適化させたものです。

Q Wordで文書のレイアウトがうまくできないが、他の方法はあるか?

A

図表を多く含む文書の場合には、Microsoft Word ではページ区切りの関係で次ページに図表が追い出されるので、紙面に無駄な空白が出来てしまったり、ちょっとした文字やフォントの修正でも文書全体ページ数が変化してしまって、一定のページ数に仕上げようとしてもいつまでもレイアウトが完成しない場合があります。
また一旦出来上がった文書を他のパソコン・プリンタで出力すると、どこかのページの図表が追い出されて全体のページ数が変わってしまうこともあります。

これはWordが本来は文書編集をするためのソフト(コンテンツ優先)であって、レイアウトやページ数は出力する(画面でもプリントでも)時点で自動的に決まるようになっているからです。このようになっているので、いつでも文字の修正が容易にできるのです。Web画面では文字と図表は芋ズル式に連なっているのと同様です。

しかし印刷製本の都合で全体を32ページに納めたいような場合は冒頭のようなことが起こって不便な場合があります。そういった場合は先割(レイアウト優先)方式のDTPソフトを使って文書を編集し直し、各ページごとに文字や図表の位置サイズをコントロールすることで、多少の修正・赤字直しが発生しても全体のページ数やレイアウトが崩れないようにできます。

既に作成済のWord文書でも Adobe InDesign のようなDTPソフトに読み込んで、レイアウト優先の文書に変えることができます。Wordの機能を使って作成された目次・索引・注なども自動的にInDesignに引き継ぐことはできますが、場合によっては制約があります。Wordは機能が豊富で、Word上で文書の見出しなどの「スタイル」を決めていたり、箇条書きにしたり、文字を装飾したり表を作成したりできますが、それらを引き継ぐのか、作り直すのかなどの指示を、InDesignで読み込むときに行います。

しかしWord上でフォントを太字にしたり斜体にするなど加工しているものは、InDesignでは加工せずに太めのフォントに置き換えるとかイタリックのフォントに置き換えるなどになりますので、全くWordと同じ表現にはなりません。
またWordで入力時点で入れたクオーテーションマークはDTPでは二重引用符にするようなことも半自動でできますが、余計な空白や記号の適切な扱いなどをInDesign上でチェックして修正作業する必要も出てきます。

Word文書のDTP化は、どの程度の作業量になるかはやってみないとわからない面もあり、最初にテストしてから作業方法を決めるのが良いでしょう。また変換・再編集の後にも校正は必要になると考えるべきでしょう。

Wordの古いバージョンやWord以外のワープロソフトで作成された文書も、リッチテキスト(RTF)形式ならDTPで読み込んで再編集することができます。

Q チラシ・パンフをデジタルサイネージにしたい。

A

デジタルサイネージは、陳列棚に置かれる画面が7インチくらいのものから、ビルの壁面の何百インチのものまで、非常に多種多様ですので、表現方法を決めるにはまず設置場所を想定しなければなりません。しかし表示するコンテンツはいずれもある程度は流用ができますので、なるべく広く利用できるように企画・制作をしておいた方がよいでしょう。場所が屋外なのか屋内かで使われるハードウェアも大きく変わり、同じコンテンツを流すにしてもコントラストの調整などは設置場所ごとに設定が必要な場合もありますが、基本的にはコンテンツ流用はできるのがデジタルメディアの特徴です。

質問の主旨は印刷用のPDFなどをデジタルサイネージに変換したいことでしょうが、まずは前述の設置条件を想定してから企画・デザインに入ります。画面については、縦型か横型か、縦横比は16:9か、4:3か、などを決めますが、どちらでも使えるように考える場合もあります。16:9の縦型を3分割して横型のコンテンツを上下に3つ並べるなどです。この場合にはぴったり納まらずに端数が出ますので、それを吸収するように余白デザインする必要があります。

デザイン的には、デジタルサイネージが車中や待合室などのように座って見るものか、通路沿いに置かれて歩いている人に見てもらうものかによって、考え方が異なってきます。座してみる場合は静止画のスライドショーでも使えますが、通路沿いの場合は内容を認識してもらうのには、動画編集のようなさまざまな工夫が必要になります。いずれも印刷物のままでは見づらいので、紙面を分解して要素を取りだして再構成することになります。

とりわけ通行人に対して表示する場合には、取りだした要素を動画・アニメのようにタイムライン(時間軸)に順次配置していくので、PDFよりもAdobeIllustratorやAdobePhotoshopのレイヤー構造のファイルから要素を取りだした方が自由に動画編集できるようになります。これらのアプリだけでも簡易アニメのような編集は可能ですが、動画編集としてはAdobePremiereやAdobeAfterEffectsといった専用アプリにインポートして行った方が販促ビデオなども組み合わせた自由で多彩な表現ができます。

つまりデジタルサイネージの原稿としては制作用のデータが使えるのですが、動画化が必要なためにデザイン上の注意点は大きく異なってきます。印刷用のデザインに慣れた人にとっては以下のようなポイントが重要になります。

  1. 画面表示の文字数は相当に絞り込まないと読んでもらえない。文字サイズも大きくして、チラッと見てわかる程度のことしか伝わらない。
  2. 動画とはいってもゆっくりした動きにしないと何だかわからなくなる。また注意をひく意味でも少しづつ動かすことには効果がある。
  3. ランダムな動きは見苦しくなるので、動きには一定のテンポが必要。繰り返すような動きにはリズム感をもたせる。
  4. 印刷物よりは看板のような強い明暗コントラストがあったほうがよい。
  5. ロゴ・図版はWeb素材などからの拡大はせずに、エッジのシャープなものを使う。
  6. 内容を盛り込み過ぎない。一般に15秒から1分くらいに小さくまとめる。そのため総合案内と個別案内は別に制作する。
  7. 設置場所の明るさ、背景色、視線との位置関係などを考慮する。

参考:デジタルサイネージサービス