制作お役立ち便利帳
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Q PODで出版するには

A

印刷製本部分は全国のオンデマンド印刷業者で可能ですが販売(書籍流通)は行いませんので、ネットでの出版販売をしていることろに依頼することになります。またPOD出版をするには内容がすべて完成したデータになっている必要がありますから、 電子書籍の制作や販売と兼ねてPOD出版のサービスをするところが増えています。アマゾンPODが有名ですが、アマゾンでしか販売できないという制約があり、他の業者と組み合わせて出版する方法もとられています。

アマゾンPOD

アマゾンは書籍の販売とKindleという電子書籍サービスを行ってきましたが、それに加えてプリントオンデマンド(オンデマ ンド印刷)で書籍の印刷・製本による出版販売を導入することで、出版流通の仕入れを無くし、在庫切れ対策にもなるよ うなサービスをしています。
既存の書籍流通では4割ほどの返品がありコストアップになっています。また部数が見込めないコンテンツは出版されることが ありませんでした。しかし在庫を持つ必要がないPODでは出版したい書籍が出版できるので、自費出版などを容易にしたのがアマゾンPODです。

このサービスは2005年にアメリカで始まり、日本では2010年から始まっていて。2018年の記事では「まずは、洋書のサービス からスタートし、その後、日本で出版している書籍へと幅を広げ、2016年からはカラー印刷に対応している。現在、日本では 、300万点以上のコンテンツがあり、そのうち9割が洋書になっている。」とのことです。
購入者は、Amazon.co.jpのPODのサイトから本を選び決済を行なうと、出版社から提供されたデジタルファイルをもとに、アマ ゾンのフルフィルメントセンターの中で本文の印刷や表紙のカラー印刷を行い、表紙にラミネート加工・丁合・三方断裁などの製本工程が自動で行われて書籍になり、他の書籍同様に配送されます。

アマゾンPODへの出版依頼は、アマゾン直接ではなく下記の正規取次店に登録し手続きをします(2019年9月現在Amazonサイト の説明)。
・株式会社 学研プラス
・株式会社 モバイルブック・ジェーピー
・株式会社 メディアドゥ
・株式会社 インプレスR&D
・ゴマブックス株式会社
・株式会社クリーク・アンド・リバー社
・一般社団法人日本図書館事業協会
おそらく印刷以降の自動化・ロボット化できるところはアマゾンのコンピュータシステムで直接管理できるが、どのような様式の書籍にするかというところは専門家の介在が必要なので、外部の取次店に任せていると思われます。また取次店も電子書籍を扱う会社なので、電子書籍を紙の書籍にするサービスという意味も含まれているでしょう。

現状のPODによる出版物製作の制約として、オフセット印刷に比べると色が安定しないとか、印刷ムラが出るとか、用紙が限定されることがあります。また1冊当たりの単価が割高であり、部数が増えてもあまり下がりません。それにより書籍の販売価格は低く設定できません。製本仕様に関してもペーパーバック(並製本)が一般的です。帯もつけることはできません。
さらにアマゾンPODでは一般書店に流通させるためのISBNコードの取得は行なわず、アマゾン以外のネット書店で販売することができませんが、正規取扱店によってはISBNコードを取得や他のPOD取り扱い書店でも販売できるサービスをするところもあります。またアマゾンPODで製本された書籍には価格が表示されません。

絶版した書籍や貴重な書籍でもスキャンしてPDFデータにすれば出版用のデータになります。ただしネット経由で配信するにはデータ量が大きくなり過ぎて不都合な場合は、POD出版にするという方法もとれます。下の例はカラーのバックナンバーをPOD出版した例です。

https://www.hamlife.jp/2017/07/26/amazon-pod/

 

 

Q 書籍制作から書店への配本まで依頼されたが、可能か?

A

初めて出版する人が全国の書店に取り扱ってもらうのはとても困難です。日本の場合に書店は出版社と直接取引しているのではなく、『取次』という卸を仲介して書籍雑誌は流通しています。出版社と『取次』、および『取次』と書店の関係つくりは『口座を開く』という非常に密な契約があり、新刊が出た場合にどこの書店に届けるかとかどれくらいの部数を取り扱うかは取次が決めます。出版社からするとその数字を予測して印刷をします。『取次』は過去の書店の売り上げデータから、各書店にふさわしい新刊を配本する「パターン配本」という仕組みをもっていて、出版社も任意の書店に配本してもらえるわけではありません。

書籍流通において『取次』の役割が大きいのは、書籍販売では毎年何万点の新刊プラス雑誌が出版され、他業界に比べて取扱う商品の種類が極端に多く、出版社も書店も商品管理や在庫管理がやりきれないので、これらを代行する『取次』が発達しました。これにより書店は売れ残りを返本できる委託販売制度とか、パターン配本、さらに取次が出版社と書店の間に入って信用保証を行うことによる再販売価格維持、また、書籍が売れる前に出版社への委託販売代金の見込払いや、書店への代金回収の繰り延べといった、実質的な金融機能を担うために、護送船団方式的な流通支配であるともいわれるようになりました。取次の日販とトーハンの2社でシェア70%以上といわれ、この枠組みに新参者が入るのが難しいのです。

一方で特定分野の出版物を扱う専門取次や、出版取次との取引口座を持たない中小出版社の流通業務を受託し、取次とのやりとりを代行するような出版元とは別の『発売元』として、一定のマージンを取るビジネスもあり、出版元が法人ならば出版業でなくても自社の書籍を書店に配本することが可能です。これには星雲社や日販子会社の日販IPSがあり、編集プロダクションからの優良コンテンツを世に送り出しています。星雲社は小出版社のものでもほとんど扱ってもらえるそうですが、日販IPSは発売元としての企画のチェックがあり、取り扱ってもらえない場合もあります。また日販IPSは海外での出版活動のサポートも行っています。

これらはいわゆる自費出版とは異なりますので、個人の出版物であるなら、自費出版を扱う専門の会社に相談するか、電子書籍にして amazon Kindle ダイレクト・パブリッシングであれば、誰でも出版をすることができますが、書店への配本は難しいでしょう。

参考: Kindle ダイレクトパブリッシングの手順

https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G200635650