制作お役立ち便利帳
写真に関するご質問

Q デジタルカメラの選び方、高い方がよいのか?

A

デジタルカメラが本格的に普及し始めたのは21世紀に入ってからですが、その後もカメラ開発の大きな変化の波がいくつもあり、今のイメージセンサーはあらゆる技術面でフイルム時代をはるかに凌ぐ性能に到達しています。そのためスマホ内蔵カメラでも報道写真や商業写真に使われるようになりました。従来のコンパクトデジタルカメラの領域がスマホに置き換わりつつあるといえます。

またプロ用とも言われていた35mm以上のデジタル一眼カメラの世界も、一般にAPS-Cサイズといわれる、センサーの製造コストを下げつつ画質は大きくは損なわれないサイズに縮小したものや、マイクロフォーサーズという、レンズ交換式カメラの高画質でさらに小型軽量サイズが出てきました。このように多様化しているために、どのような用途にはどのようなカメラがふさわしいのかが分かりにくくなっています。

まずイメージセンサーのサイズでいえば以下のようになっています。スマホカメラについては過去記事にも取り上げましたが、採光の条件が良いところで、対象物が単品だけを撮るような場合は問題なくても、撮影条件が厳しくなったところでは工夫のしようがない場合があるので、万能カメラとはいえない面があります。

カメラの使い勝手という点ではデジタル一眼が選ばれますが、その中でも35mm、APS-C、マイクロフォーサーズというセンサーの大きさの違いでどのような差があるのでしょうか?
やはり高額な35mmは諧調が16bitRAWのものがあったり高級仕様です。APS-Cはデフォルト14bitRAW、マイクロフォーサイズでは12bitもありますが、jpegフォーマットにしてしまえば差はわからないといえるでしょう。ただし天体写真とか極端な明暗差があるものなどでRAW画像を操作する場合には諧調の多いものが有利になります。

画素数は半導体製造の細密化によって、フルフレームなら84メガ、APS-Cで32メガ、マイクロフォーサイズは20メガほどまで作れます。これは4Kテレビで8.3メガ、A4の印刷物で5メガもあればよく、大サイズでも20メガもあれば十分なことを考えると、マイクロフォーサイズで印刷用も賄えることになります。
感度については、APS-Cで最大ISO30000~50000、マイクロフォーサーズで最大ISO25600という規格がありますので、フィルム時代とは比較にならないほど感度が良くなっています。

むしろ、APS-Cやマイクロフォーサーズなど小フォーマットの方が、カメラ自体を小さくできるのでいろんな優位性が生じています。まず本体が小さくなると交換レンズも小さくなるので、望遠レンズのように35mmカメラでは50cmで数キロあったものが、何分の1のサイズになり、値段も相応に安く、しかも扱いやすくなります。またカメラ内部においても部品のさらなる小型化で、電磁シャッターや手振れ補正という新機能がもたらされています。

つまり高級高額なカメラが万能であるという時代ではなくなったといえます。しいていえば、作品作りという点では、遠景のボケ感奥行感などで、35mmあるいは中型カメラの味を必要としている方もおられるのは事実です。