プロのものづくり集
カード制作

IDカードを中心にさまざまな目的のカードが作られています

カードには、キャッシュカードやクレジットカードなどの各種金融機関のカードから、健康保険証、ポイントカード、会員カード、ギフトカード、店舗カード、診察券、ETCカード、社員証、学生証、各種身分証など、実にさまざまなカードが存在します。

健康保険証をはじめキャッシュカード、クレジットカードなど、社会生活を送る上でなくてはならないカードがあります。一方で、企業や店舗が作成するカードは、イメージアップのためのブランディングとして、身分確認、顧客管理、データ収集のためなど、さまざまな目的から制作が増大しています。

社員証や学生証、医療機関の診察券など、「個人証」として利用されるカードは、一般的には本人であることを識別する身分証明であるIDカードが使われます。

安全性が高く高機能の非接触型ICカード(FeliCa)が増えています

近年は、ソニーの非接触型ICカード技術「FeliCa(フェリカ)」を使ったIDカードが増えています。FeliCaは、リーダ・ライターからキャリアを送信して電磁誘導によってICカードに電力を供給し、リーダ・ライターとカード間で通信を行うことができます。新規のカード作成から印刷済みのカードに再印刷することが可能で、コストを削減しつつ新しいデザインに変更することも可能です。

FeliCaの特長は、処理速度が高速であること。高レベルの暗号対応でセキュリティレベルが高いこと。1枚のカードで複数のサービスを組み込めることなどが挙げられます。費用対効果を求めるのであれば、FeliCaカードがお勧めでしょう。2011年には、相互認証と通信路にAES(共通鍵暗号方式)も利用できるFeliCaチップが開発されました。

通常は、交通機関のIC乗車券や電子マネー、航空搭乗券などに採用されていますが、学生証や企業の入退室管理用にも採用が増えています。電子マネーの機能をもたせて、学内、企業内の食堂や売店、自動販売機をキャッシュレスで利用できるようにするところが増えています。

カードの素材について

カードの素材は紙やプラスチックに限らず、実に多彩です。ユーザーの希望があれば、さまざまな素材に印刷して作ることが可能です。しかし、一般的にはプラスチックと呼ばれる素材で、ポリエチレンテレフタレートの「PETカード」とポリ塩化ビニールの「PVCカード」に集約されます。

PETは、厚さ188µm(QUOカードと同じ厚さ)、250µm(テレホンカードと同じ厚さ)で、PVCは、0.28mm、0.48mm、0.78mm(銀行カードと同じ厚さ)。PET-Gは、0.48mm、0.76mmです。その他、YUPO、フリスパー、厚紙(アートポスト紙)にも対応しています。縦横サイズはJIS規格サイズで、54mm×85.6mm、角R3.18mmになります。

情報については、バーコード印刷(JAN-13、NW-7、Cord39、QRコードなど)、磁気(PVC、磁気テープ付き、PET、全面磁気、リライト印字対応など)、非接触ICチップ(FeliCa、FeliCaLite、Mifare、MifareUL(NFC)ISO14443など)。なお、FeliCa規格のEdy付きにも対応可能です。さらにICタグ規格(ISO15693)などにも対応できます。

カードの種類について

カードには、主にIDカード、メンバーズカード、ポイントカードがあります。

IDカード

企業の社員証、学生証、医療機関の診察券など、さまざまな個人を認識するカードとして利用されています。素材は一般的なプラスチックカードで、印刷は昇華型ダイレクト印刷、フィルム転写印刷になります。もちろん、FeliCaへの印刷、可変印刷も可能です。

近年は、ICチップを埋め込んだICカードが、セキュリティの高い個人認証を行って、偽造防止の観点から利用する企業や学校が増えています。ICチップには膨大な情報を記憶させることができて、コンピュータのように計算することも可能です。

ICカード対応の端末機を設置している店舗では、従来のサインが不要で、暗証番号を入力することで本人確認ができて、安全で効率的な運用ができるようになっています。

メンバーズカード

店舗のメンバーズカードにもカードを使うケースが増えています。顧客の囲い込みに、会員への特典を付加する際のプレミアムカードとして、作ってみてはどうでしょうか。ポイントカードによる機器を使用しない場合、かなり安価で制作できます。

ポイントカード

ポイント度数が表面に印字される磁気カードです。FeliCa型のどちらにも対応しています。ポイントカードは、顧客のリピート率を高めて、お店のイメージアップに繫がります。

お店の売上アップとしてポイントカードを利用したいものです。顧客をお店のファンにすると同時に、従業員も顧客の名前と顔を覚えるツールとなりますから、従業員のスキルアップが図られ、顧客との間で良好な関係が築けます。

制作工程について

これからIDカードを作られる企業や店舗の方にとっては、どのような準備が必要で、どこに問い合わせれば良いのか、分からないことが多いかと思います。今日ではインターネットを使って独自に調べて、相談・依頼したり、出入りしている広告代理店や印刷会社に発注したりされることが多いかと思います。

カードは一度作ってしまえば、長く使われるものですから、デザインも含めて十分に検討して、納得のいくものを作りたいものです。価格、品質、アフターサービスなど総合的な見地から制作会社を選択したいものです。

新規で作成される場合は、まず、カード制作の目的は何であるのか。どのような機能をもたせたいのかを検討し、決めなければなりません。制作会社と綿密な打ち合わせをして、体裁やデザイン、文字、印刷枚数などを決めます。社員証、学生証、会員証を作られる場合は、水に濡れても大丈夫で、丈夫で破損しにくい素材を選びたいものです。そうなると、プラスチックカードがお勧めです。

デザインは発注者である顧客側で考えるのか。カード制作会社に要望を言ってデザインを任せるのかを決めます。それが決まれば、制作会社は見積りを出して、了解が得られれば、制作に取り掛かります。

デザインデータもカード制作会社で作成するということになれば、デザインを作成した後に、デザインデータを見てもらい、文字や色、デザイン等を確認することになります。顧客がデータを作られる場合は、デザインデータ、画像データ、個人情報データを用意してください。デザインから依頼されるのであれば、カード制作に力を入れている印刷会社がお勧めです。個々のオリジナルデザインに対応しているだけでなく、豊富なテンプレートを用意しているからです。

カードの制作工程

制作を依頼される際の留意点

また、加工についても、ナンバリング、サインパネル(本人著名欄)、エンボス(カードの表面に凸面の刻印をする特殊印刷)、作成済みのカードにFeliCa Liteシールを貼付するといった、各種加工が可能な制作会社を選ぶことをお勧めします。

カード制作会社では、顔写真はJPEG画像での支給、部署名や個人名、認識番号等の可変文字についてはExcelデータで、社名や大学名、住所等の固定印刷部分はIllustratorで制作するといったように、データ作成方法を決めているところがほとんどです。ですから、選ばれた制作会社の作り方に則って、データを作って入稿することになります。

今日ではICチップを使ったICカードを印刷できるのは、大手印刷会社など数社だけです。一般の印刷会社がICカードを制作する場合は、ICチップを埋め込んだ元の白いカードを仕入れて、その中に顧客の情報を組み込んでカスタマイズし、印刷することになります。

カードの印刷は紙の印刷とは違って、同じ品質・機能であっても、まだまだ安価で請け負える分野です。とくに非接触型ICカードを作られる場合は、発注される印刷会社によって大幅に価格が異なってきますから、事前に調べてから相談されることをお勧めします。

以下で紹介している印刷会社は、メーカーと直で取引し、元になるICカードを仕入れていますので、通常価格より大幅に安価で提供することが可能です。

お問い合わせ先:株式会社プロセスレボ 株式会社ミカド 

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