プロのものづくり集
e-ラーニング

教材コンテンツの目的を明確にして制作に当たることが大切

e-ラーニングとは、Webを活用して、場所を問わずにさまざまな学習ができるシステムのことで、インターネットの環境があればどこでも実現できます。

国内のeラーニングの市場規模は、2013年度が前年度比111.7%の947億円と見込まれており(矢野経済研究所調べ)、今後もモバイル端末の普及で伸びていくことが予想されています。B to B、B to Cともに市場が拡大しており、今後はB to C市場の拡大が全体を牽引していくとみられています。インターネット社会においてはe-ラーニングはごく普通の学習方法として定着していきますし、教材もますます増えていくことが予想されます。

そこでe-ラーニングの導入を検討されている企業では、導入するに当たってどのような準備を行い、システム構築していけば良いのかが、気がかりな点だと言えるでしょう。また教材のコンテンツをどのようなものにすれば良いのか、分らないことが多いと考えられます。まずは教材を作って受講者に何を提供したいのか、目的を明確にすることが最も大切になります。

また、制作会社によって教材に得手不得手の分野がありますから、どこに制作を依頼するにしても、自社の考えているe-ラーニングを制作できる会社であるかどうかを、ネット等で事前に調べてから、話を持ち掛けることが不可欠です。

制作にはかなりのコストを要しますから、事前準備が非常に大切になります。

e-ラーニングの一般的な制作工程

1 クライアントへのヒアリングによる企画
希望を聞き現実化できるかどうか、あるいは課題の抽出、完成後のイメージ、クライアントとの合意。
2 学習内容の設計
学習・育成施策の計画を立案。クライアントと方針を決定し具体的な教材について検討。目標達成・目次などを設計していく。
3 具体的な開発
設計書にしたがい教材を制作し、プロトタイプを完成させる。内容を繰り返し見て吟味し、質を高めていく。また正常に動作するか検証する。
4 本番用のコンテンツを完成させて最終確認を行う。
ヘルプデスク運用サービス(QA対応)を施し、受講者の登録、修正代行などの運営支援を完備する。
5 評価しフィードバック
受講履歴や学習成果から講座を評価し、教材のブラッシュアップ・品質改善を考える。アンケート集計・分析を行う。

e-ラーニングを初めて利用する受講者は、操作方法がオンラインマニュアルで書かれている方式だけでは心もとないものがあります。操作が分らなくなってもなかなか画面上のマニュアルを読もうとしないのが一般的です。そこで、できれば受講者の不明点にリアルタイムで答えられる仕組みを作っておくことが求められます。操作方法に疑問が生じたなら、すぐに手に取って調べることができる紙のマニュアルがあれば安心感が生まれます。

e-ラーニングを導入するメリット

1. 受講者を1カ所に集める必要がないこと。
例えば、レッスンや技術講習会などを数回開く必要がある場合に、会場を手配する面倒がなく、また、受講者に毎回足を運んでもらう必要もないため、時間と場所の制約から解放されます。これはe-ラーニングを主催する側も受講者にとっても利点になります。
2. 教材費の制作料や会場のレンタル、人件費、交通費のコストダウンが図れること。
e-ラーニングは一度制作すれば、それをネット上で何度でも発信(利用)できますから、最低限のイニシャルコストだけで済み、制作後の運営費はほとんど掛かりません。コスト削減が可能な点は大きなメリットになります。
3. 受講者の学習の進捗状況を簡単に管理できること。
従来ですと、受講者の出席状況や学習の進捗・成績状況は、その都度情報を入手し、データ化しなければなりませんでしたが、e-ラーニングは自動的にそれらを把握し、システム内で一元管理しますから、大幅に手間を省くことができます。

ただし、デメリットもあります。学習教材の動画やコンテンツ制作は、紙の書籍とは違った知識やノウハウが求められます。それらを的確に制作できるかどうかが問われます。そのコンテンツの出来不出来によって、受講者が増えていくかどうか、また受講が継続されていくかどうかに繫がりますから、コンテンツ制作は最も重要になってきます。

コンテンツ事例

印刷会社におきましても、企画から考えてe-ラーニングを自ら制作し配信している企業があります。当該の印刷会社では「大人のネットラーニング」と称する社会人のためのe-ラーニング講座を展開。楽器の演奏や室内トレーニングなど、忙しい社会人が自宅にいながら学べるコンテンツを作成しています。ここでは、ギターの弾き語りをマスターするe-ラーニングを事例として紹介しましょう。

講座では有名アコースティックギタリストによる5曲の課題曲が用意してあり、ギターの初心者から中級者までそれざれのレベルに応じたアレンジで弾き語りができる内容になっています。1曲当たり約20分の講座で、講座料金は一曲当たり500円を設定し、30日間観ることができます。

「大人のネットラーニング」の特徴は、講習画面が動画と図解と説明文によって構成されている点です。メインターゲットをフォークソングを愛好する40代以降に設定。その昔、志したことのあるギタリストにもう一度チャレンジしようという人を意識した構成になっていますが、これから弾き語りを始めたいという若者、仲間とセッションを目指す人、充実した趣味を持ちたいという社会人にも対応した講座になっています。

同社では、目が肥えた受講者が多いことを想定して、企画段階からあらゆる状況を考慮し、十二分に練って制作に取り掛かったそうです。それによって受講者にとって満足度の高いコンテンツを作ることができました。

特徴・機能は次のとおりです。

  1. 譜面の中で現在どこを弾いているのかが一目で分るようにコードの色が変わる。
  2. 譜面を拡大することができる。
  3. 目次があり、練習したい部分をクリックするだけで即座に開くことができ、繰り返し練習できるようになっている。
  4. 初心者にも分りやすいように、前奏、間奏にタブ譜を付けている。
  5. 講師による演奏ポイントについての詳細な説明がある。
  6. 決済はクレジットカードやコンビニ、PayPalなどさまざまな課金方法を用意している。
  7. iPadでもパソコンと同様のメニューで受講できる。

この講座は、最初のコンテンツということもあり、開発に多くの時間を要しました。多くの受講者に活用してもらうための利便性と講座そのものを高品質に仕上げることが重要だと考えたからです。

一般的な楽器演奏を学ぶe-ラーニング講座では、講師の動画と解説だけで構成されているものが多く、初心者には分りにくいというコンテンツも見受けられます。しかし、「大人のネットラーニング」は、初心者から中級者まで幅広い層に、自分にとって必要な技術を優しく学べるコンテンツに仕上がっており、その完成度の高さは出色です。

印刷会社の中にも、これだけ優れたe-ラーニングを企画開発できる会社があることを是非とも知っていただきたいものです。

同社では、今後も他の楽器の演奏やスポーツ関連の講座などを企画しています。自社独自のノウハウを身につけて付加価値の高いe-ラーニングを配信しています。実際にサンプルを観ることで、クオリティの高さを感じることができるでしょう。

「大人のネットラーニング」サンプルページ

「大人のネットラーニング」サンプルページ
http://www.l-learning.net/contents/music/detail/course000.php

e-ラーニングの企画制作を考えている企業にとって、どこから手を付けて良いのか分らないケースが多いかと思います。市場には数多くのe-ラーニングの制作会社がありますが、クライアントのニーズに果たして応えているのかどうかがポイントになります。それには、実際に配信しているe-ラーニングのサンプル等を観ることが一番です。

受講者が途切れることなく、継続して利用してもらうためには、受講者の立場に立った良質のコンテンツを配信していくことが欠かせません。ですから、e-ラーニングの制作を企画するのであれば、それを実現している制作会社であることが問われるわけです。

制作会社としては、クライアントがe-ラーニングを始める目的が何かをしっかりと聞き出して、クライアントのニーズに応えていくためには、どのような内容にすれば良いのかを提案できなければなりません。クライアント側もそれが可能な制作会社であるかどうかを、しっかりと見極めていく必要があります。

お問い合わせ先:株式会社ローヤル企画

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