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デジタルサイネージサービス

即座にレスポンスを得られるサイネージは有効である

デジタルサイネージ(Digital Signage=以下、サイネージ)とは、屋内外のあらゆる場所で、電子的な表示機器を使って情報を発信するシステムのことを指します。文字だけでなく、ディスプレイ上に静止画や動画で、消費者へ情報を発信したりするツールとして使われるわけですが、企業や店舗による広報・宣伝として、あるいは掲示板・案内板として使われることになります。

発信方法は、インターネットを介して配信するネットワーク型と、ネットワークに接続していないスタンドアローン型に大別され、ネットワーク型ではPCからディスプレイにコンテンツを配信するのが主流になっています。ネットワーク型のメリットは、コンテンツを即時に表示したり、変更したりできて、コントロールしやすい点が挙げられます。

ディスプレイのサイズは、小規模店舗のカウンターの上に置くものから屋外の大看板に代わるものまで様々です。目的や用途、当然、ディスプレイに掛けられるコストによって異なってきます。

サイネージでは、効果的なコンテンツを作って、情報を届けたい顧客(個人・企業)に向けて即時に表示し、いかにレスポンスを得るかがポイントになります。

チラシやポスターの紙媒体ですと、印刷や貼り替えに手間や時間が掛かりますから、その場ですぐに新しい媒体を渡すことができないというデメリットがあります。しかし、サイネージですと、リアルタイムでコンテンツを表示させることができますから、顧客の反応をその場で見ることができます。また、インタラクティブで視聴者とやり取りできるサイネージでは、道行く人の反応を調査したり、店舗に訪れた人の関心の度合いが分かったりできます。キャンペーンで集客する際には、とくに効力を発揮するでしょう。

しかし、企業や店舗が初めてサイネージを使って、集客や広告を行ってみようと思った時に、どこに相談するのが得策なのか、分からないのが現実です。普段、広告代理店や広告会社とお付き合いがあればそこに問い合わせるのが早いのですが、ほとんどの中小企業や店舗では、どこにどのような相談をすれば良いのかが分からないのではないでしょうか。インターネットで検索するのも良いですが、できれば地元で対応してくれるサイネージ会社があればそれにこしたことはありません。

コンテンツの企画・制作が行える地域に密着したサービス会社を選ぶ

街中でサイネージはよく見かけますが、設置し運営しているのは看板屋さんなのか、広告代理店なのか、ディスプレイを製造しているメーカーなのか、いろいろと思案されることでしょう。

サイネージと言っても多種多様で、ディスプレイやシステムを販売することをメインにしている機器販売会社から、発信するコンテンツのコピーだけを制作しているデザイン会社まで、様々な分野からビジネスやサービスに関わってきているのが、サイネージ市場の特徴です。

企業や店舗に合った最適なサイネージで、いかに効果的なコンテンツを表示し、消費者や顧客に届けていくかがポイントになります。そして、発信したいコンテンツを企画し制作し、しかもアフターフォローまできちっとできる企業を見つけることが先決だと言えるでしょう。できれば末長くお付き合いするためにも、地域に密着したサイネージビジネスを展開している企業を選びたいものです。

大事なことは、コンテンツの中身をどのようなものにするのか、また、システムの仕組みづくりが重要になってくるわけですが、それらを一緒に考えて適切なアドバイスができるコンテンツ制作会社を選ぶようにしたいものです。

さらに、サイネージを運用するのは、顧客自身なのか、コンテンツ制作会社になるのか、あるいは別の運用会社に任せるのか。顧客の意向をもとに打ち合わせで取り決めておくことが肝要です。

デジタルサイネージの目的とシステム構成

サイネージの目的は「静止画・動画による広告」、「販売促進のための商品・サービス情報提供」、「施設内や店舗内の案内役としての情報提供」、「音楽・映像コンテンツのエンターテインメント」の4つに分けられます。方式や種類は、液晶ディスプレイ(2K、4K、8K)、バックライトを光源とする透過型液晶ディスプレイ、曲面液晶ディスプレイ、LED、プロジェクター、リアプロジェクター、有機EL、無機EL、電子ペーパー、ホログラフィックなど多種多様です。

通信手段は、光回線、Wi-Fi、WiMAX(広域無線移動体通信)、PHS、モバイル通信(3G・LTE等)など、ネットワークを使って配信するネットワーク型と、USBメモリーやSDカードを直接ディスプレイに接続して、ネットワークを介さないで配信するスタンドアローン型があります。インターネット時代の今日では、やはりネットワーク型を採用し効率的な運用を心がけたいものです。

サイネージを設置する場所は、小売店、飲食店、ショッピングモール、商店街、事務所内、工場内、駅構内、病院、クリニック、自治体、公共施設、ビル壁面など、様々で用途も多彩です。

駅構内の事例

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自動販売機の事例

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情報配信の事例

情報配信の事例

小売店の事例

小売店の事例

ロケーションの重要性と費用について

サイネージは、実際にディスプレイの前に来て見てもらわなければ意味がない媒体です。手元に届けることができない点が最大のデメリットと言えるでしょう。通りを歩く人、屋内にいる人に向けて届けることになりますから、どこに設置するのかロケーションは非常に重要になります。

飲食店であれば入口の近辺になりますが、見やすいのかどうかという視認性を考慮しなければなりません。太陽光に影響されるのかどうか、人通りはどうなのか、邪魔にならないかどうかなど。設置の向き、画面のサイズをどの程度にするのか。ショッピングモール内であれば、そこに設置して良いのかどうかショッピングモールのオーナーに許可を得なければなりません。また、オーナーにロケーション設置費用を支払う必要も生じてくるでしょう。そのように実際のサイネージシステムやコンテンツ制作に関わる費用以外の費用も考慮しなければなりません。

コンテンツの種類と選び方

コンテンツ制作では費用対効果が求められます。いくら費用を掛けて作成した素晴らしい動画コンテンツでも、それを見てくれる人がいなければ意味がありません。また、低コストで作った簡単なコンテンツでも見てくれて、店舗であれば実際に来店してくれるのであれば費用対効果が高いものなるでしょう。

また、外国人向けに多言語に対応したコンテンツを制作する必要があるのかどうかも考える必要があります。

コンテンツには以下のようなものがあります。

(1) 高品質映像コンテンツ

TVで放映されているCMのような手間と費用を掛けた動画コンテンツ。主に1点モノで頻繁に変更するものには適しません。相当の時間、費用が掛かりますから、一般の店舗や企業には不向きと言えるでしょう。

(2) 通常の動画コンテンツ

静止画を複数動かすことによって動画のように見せる手法から、アニメーション制作、3DCG制作まで、動画コンテンツと一言に言っても実に手法は幅広くなります。また、Webサイトと連携することも可能です。

(3) 配信型のコンテンツ

刻々とコンテンツの内容を変えて届ける配信型コンテンツは、天気予報や株価、待ち時間の表示、イベント・キャンペーンの告知などに向いています。飲食店なら時間ごとにお薦めのメニューを表示するのも良いでしょう。コンテンツを複数用意してネットを介して効率的に配信できるかが鍵になります。

(4) タッチパネル型コンテンツ

実際にサイネージの画面にタッチし操作することで、コンテンツを表示するタッチパネル型は、操作自体の面白さも手伝って関心を惹きやすいコンテンツと言えるでしょう。見るだけでなく、触る楽しさを伝えられるようなコンテンツで、集客に結び付けるようにしたいものです。

コンテンツ制作の流れ

ステップ1 打ち合わせ

どのようなサイネージシステムでどのようなコンテンツを制作していくのか、ヒアリングを行います。顧客はサイネージを始めるに当たっての悩み事や心配事、費用面などを相談し、サイネージ事業者と顧客との間でしっかりと話し合い、企画を練っていきます。

ステップ2 企画案・見積りの提示

サイネージ事業者から企画案が提示され、その内容について確認し見直していきます。企画案ではサイネージシステムを明記し、コンテンツがどのように表示されるのか、その仕組みがグラフィックで示されます。また見積りも一緒に提示されます(見積りについては、企画案の前に提示され、金額の同意を得てから企画案の制作に移る場合もあります)。

ステップ3 各種素材の用意

企画案が決定しますと、具体的な制作に取り掛かります。コピー、写真、撮影、アニメーション、CG、BGM、ナレーションなどの素材について顧客が用意するものと、サイネージ事業者が用意するものとを明確にし、それぞれ準備します。

ステップ4 制作

実際に現場を撮影したり、キャッチコピーを作成したりする制作作業に移ります。

ステップ5 完成品を視聴

コンテンツが完成しますと、全員で試聴して不備や修正がないかどうかを確認します。

ステップ6 納品と運用

問題がなければ顧客に納品し、運用に入ります。

ステップ7 メンテナンス

運用では随時サポートを行います。不具合が発生すればすぐに対処するようメンテナンスを万全に行います。

コンテンツの配信方法を選ぶ際は、目的や内容によって変わってきます。オーナーの好みで選ぶのではなく、視聴者のレスポンスが高くなるコンテンツはどういうものなのか。商品やサービスの内容に合わせてトータルで考えていかなければなりません。それに、ターゲットとする顧客の嗜好にコンテンツを合わせることも大事です。「20代の女性専用」なのか、「通りを歩いている人全て」なのかを考慮してコンテンツを制作します。あるいは屋内の案内板であれば、そこに来ている人たちに向けた内容なのかどうかが問われます。

サイネージのコンテンツを制作している印刷会社に相談を

サイネージを設置する場合は、サイネージ専門会社に相談するケースが多いかと思いますが、最近は、印刷会社でもチラシやパンフレット、ポスターを作っていることで、コンテンツ制作の実績を活かしてサイネージビジネスに進出している印刷会社が増えています。地元の印刷会社でサイネージも事業として取り組んでいる会社があれば、一度、問い合わせてみてはどうでしょうか。

地元ということもあり、打ち合わせは密に行え、親身になってニーズに応えてくれるはずです。サイネージでは何より、魅力的で惹きつけるコンテンツを作ることが重要になりますから、ビジュアルのコンテンツ制作に長けている製版会社や印刷会社を選ぶことがポイントになります。そのような会社に相談してみてはいかがでしょうか。

お問い合わせ先:サイネージネットワーク株式会社

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