月刊GCJ
GCJビジネス開拓だネット

(169) 株式会社新栄プロセス社

静電吸着紙を素材にした『SeeCatchカレンダー』で新規開拓

代表取締役
護守 四郎

静電気の力で吸着する静電吸着紙を素材にした画期的な『SeeCatchカレンダー』を印刷し販売しているのが株式会社新栄プロセス社。テープも糊も使わずに、あらゆる場所に綺麗に貼れるのが特徴だ。このほど同手法による『SeeCatchフォト』も商品化、さらに同手法にARアプリの技術を合体させた動く写真の販売も開始した。同社の本業は、シルクスクリーン印刷による高品質印刷であるが、新素材やIT技術を使った新機軸の商品で新たな顧客に向けて需要喚起している。護守四郎社長にこれらの商品について取材した。

株式会社新栄プロセス社
本社:東京都北区昭和町2-13-5
http://www.silk-print.jp

ペンキ壁、ビニールクロス壁、窓ガラス等のあらゆる場所に貼って剥がせる

静電吸着シートとの出会いはこれを製造するメーカーのセミナーに護守社長が参加したことが発端だった。メーカーからこのシートを素材にして商品を作ってくれないかと参加者に呼びかけた。そこで護守社長自身が面白い素材で何かに使えそうだということで、取り組んだのがきっかけだった。

「当時、マンションでカレンダーを掛けるところがなくて困っていた。クローゼットの上部にフックを掛けて吊るす方法を採ったり、場合によっては壁に穴を開けたりと、苦労していたわけです。しかし、この静電吸着シートでカレンダーを作れば、貼るだけで良いということに気が付いたので、カレンダー製作を始めることにしたわけです」と、護守社長は自身の体験からカレンダーに適していると考え、商品化することにしたという。

同社はUV厚盛印刷、蓄光印刷、ラメ印刷、パール印刷などのシルクスクリーン印刷を専門にしていた。カレンダー製作は初めての試みだった。

商品化して1年ほど経った昨年11月にNHKのテレビ番組で紹介されたこともあって世間に認知され、かなりの反響があったという。また、今春の展示会に出展し来場者にカレンダーを配布しPRにも余念がない。「まだまだ投資段階で儲けはありませんが、個人のお客様から企業の販促品までさまざまな方に使っていただければと思っています。カレンダーはいろいろな種類が市場に出回っていますが、どこにでも貼って剥がせるカレンダーは当社だけです」とのことで、カレンダーに関しては同社が特許出願済みだ。

ペンキ壁、ビニールクロス壁、窓ガラス、壁紙などに道具を使うことなしに、簡単に剥がせるだけでなく、水や油を被っても簡単に剥がれない耐久性も持ち合わせているのが特長だ。もちろん、カレンダーは普通の紙であるから書き込みも可能で、剥がした後の壁などは汚れることはない。一般には楽天でA5判とA4判合わせて4種類の「2015年新学期カレンダー」として販売している。

また、最近になってこの技術を利用して『SeeCatchフォト』も発売した。使い方は、2枚1組のSeeCatchを剥がして、カラーシートのほうを平らな壁や冷蔵庫、棚、キッチンなどに貼る。次に静電気面が上になるように、透明フィルムを付属のガイドの上に配置する。その上に写真の絵のほうを裏にして透明フィルムの中心に置き、透明シートをカラーシートに貼り付ければ完了である。シートの上には絵を描いたり、文字を書いたりできる。

カレンダーも写真のベースシートも2枚ずつ背中併せで合体吸着しており、使用する時に剥がして2枚として使えるようになっている。

さらに、ARアプリ『CLIP(クリップ)』を使って写真を動画にする手法も取り入れた。同アプリをスマートフォン等のモバイル端末にインストールし、写真に印刷されたQRコードをカメラでかざすと写真が動くという、いわゆるARである。動画は顧客のほうで制作する必要があるが、同社ではIT技術を利用した商品開発にも目を向けて取り組み始めた。

印刷はオンデマンド印刷機でデザインやデータの制作は要望があれば、提携先のデザイン会社や制作会社に外注しているとのこと。

「まだ誕生したばかりの素材ですが、カレンダーや写真以外にも、ポスターや壁紙としても利用できますから、もっとPRしていかなければならないと思っています。楽天のネット販売とオリジナル商品、あるいは企業の販促品として販売していくつもりです」と抱負を語った。

応用商品の『SeeCatchフォト』にAR技術で動く写真も開発


応接室に貼ってある「SeeCatchカレンダー」

ARアプリを作動させ写真を動画に

掲載号(2015年5月号)を見る