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(187) 有限会社土山印刷

宣伝効果の高い「マグネット広告」で需要開拓し独自路線を歩む

営業部部長
堀 弘武

印刷業界は紙媒体の制作が主業務になるが、デジタル機器の普及に伴い紙媒体の需要は頭打ちになりつつある。そんな状況下、紙の印刷に固執せず、「マグネット広告」に光明を見出し、低コスト化と高品質化を推進し、顧客の要求に応える経営戦略で需要を喚起し、独自路線を歩んでいるのが有限会社土山印刷である。中国の印刷会社と業務提携し、低コストでの生産を可能に、今では月間500万枚以上を生産しているとのこと。年々売上が伸びているマグネット広告について、同社営業部の堀弘武部長に取材した。

有限会社土山印刷
大阪府門真市三ツ島3-15-9
http://www.t-print.co.jp

コストダウンを図るため中国企業と提携し現地での品質管理体制も推進する

(有)土山印刷がマグネット広告を始めたのは今から7年前に遡る。「お客様から水道会社が配布しているようなマグネット広告を作りたい、という問い合わせがあったのを機に作ることになりました。低コストで生産するためには、マグネットシートの仕入れも含めて中国の印刷工場と取引するのが適しているとし、インターネット関連サービスを利用して、その中から数社選んで現地に出向いて、生産現場を見て決めました」とのことだ。

「国内のメーカーと取引しますと、自社で作ったマグネットシートを売ることに比重が置かれていて、お客様の広告媒体・販促物として印刷する私たちの目的とずれてしまうわけです」。しかも低コスト化を進めるのであれば、中国での現地調達のほうが安価というメリットもある。

当初は、生産が可能な印刷工場を数社選定し、試作品を作らせて、よりコスト力や技術力のある企業の中から最も品質が高いと思われる印刷会社と業務提携することにしたという。「製品水準を日本のレベルに合わせるために意見交換を重ねて、中国での生産ラインの水準を高めていきました。日本市場では品質を重視していることや、当社の製品に対する考えを説明して、協力を仰ぎました」とのことだ。

また同社でも、日本からスタッフを定期的に現地に送り込むことにして、品質管理で入念なチェック体制を敷くようにした。それが功を奏して品質面でのトラブルはほとんどなくなり、安心して生産を任せられるようになったという。

一方、営業ではマグネット広告を企画・製作していることをPRするために、販促関連の展示会に積極的に出展しアピールしてきた。「会場にはさまざまな業種の方が訪れてビジネス機会が増えますので、需要を喚起していく意味からも展示会への出展は意義があります」と説く。

「マグネット広告は目につくところに貼ってもらいますと、捨てられることなく、いつまでも広告効果が続くメリットがあります。また、少しサイズを大きくして半年分のカレンダーや、メモ書きできるホワイトペーパーなど、各種販促品としても活用できます」と、宣伝・広告効果の高いツールだと言う。水道・電気・鍵などの業種から、宅配飲食業、ハウスクリーニング業、タクシー会社・運送業、不用品回収業、通販会社、ハウスメーカー・リフォーム業、法律・探偵事務所、官公庁など需要を喚起する業種は枚挙に暇がない。

データは、代理店や制作会社から入稿されるケースが多いため、完全データでの入稿が主体ではあるが、同社でもデザインの企画・制作について対応し、顧客のニーズにできるだけ応えているとのことである。最近は、新商品の開発に余念がなく、販促物でも従来の領域からモノサシ、ジグソーパズルなど、マグネット商品としても価値のある商品開発を進めている。

一昨年にはマグネット広告専門のWebサイト『マグネット館.com』を設けて集客を図っているが、「今ではマグネット広告の売上は全体の半分近くにまでなりました」と言う。品目を特化し、それを強みにして顧客のニーズに細かく対応してきたからこそ、順調に業績を伸ばしていると言えるだろう。また、品質管理と低コスト化を進めてきたことも大きな要因である。マグネット広告で独自路線を歩む経営戦略は、印刷業が紙媒体だけに固執する必要はないことを示唆しており、中小印刷会社にとって励みになる。

さまざまな業種への営業だけでなく新商品も手掛け順調に売上伸ばす

多種多様なマグネット広告を扱っている
多種多様なマグネット広告を扱っている
マグネット広告専門サイト『マグネット館.com』
マグネット広告専門サイト『マグネット館.com』
http://www.magnet-kan.com/

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