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(197) 株式会社トキワメディアサービス
独自に開発した「剥がれスクラム製本」で新規需要を開拓
業務統括本部長
三森 順二氏
製本仕様は、通常川上からの指示で決められた通りに製本加工するのが一般的で、自社でオリジナル製品を開発するのは希である。そんな状況下、株式会社トキワメディアサービスは、複数の冊子を連ねて1冊の製本にし、使用するときは1冊ずつ簡単に剥がして使うことができる製本技術「剥がれスクラム製本」を確立した(実用新案登録)。剥がれないことが最も大切である製本の概念を覆した独自の製本技術として『剥がれ三兄弟』と、新たに脱着製本可能な『だっちゃくん』を開発し需要を開拓している。業務統括本部長の三森順二氏に取材した。
- 株式会社トキワメディアサービス
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本社 : 東京都千代田区三崎町3-1-1高橋セーフビル
https://www.tokiwa-media.co.jp
大手学習塾の生徒の扱いづらいという声に応えて、剥がれる教材を開発
㈱トキワメディアサービスは、編集から印刷、製本、セット作業、発送業務までワンストップサービスを構築している印刷・製本会社である。主に教育教材、資格取得テキスト、試験問題集、企業で使用する販促マニュアル・人材育成マニュアル、一般の書籍印刷まで幅広い印刷・製本を事業展開している。また、本社1階ではプリントオンデマンドセンターとして、大手プラント・建設関係の顧客のプロジェクト完成時の大判図面の複写、完成図書の作成等も請け負っている。
そんな同社が、「剥がれスクラム製本」という新技術を開発したのは、「取引先の大手学習塾には、制作した問題用紙を1冊ずつ帯留めして複数を束ねて渡すのですが、生徒さんから1回帯をはずしてしまうとバラバラになって扱いづらいという声があると、相談を受けたのです。それで生徒さんの声に応えるために改善策を考えたのが『剥がれスクラム製本』でした」とのこと。
同社では試行錯誤を繰り返した結果、問題集の背を糊で2ケ所止めて、問題用紙を8頁、16頁というように、1つの単位にまとめて剥がして使える技法を開発した。これまで製本というものは、剥がれないようにすることが最大のテーマであったが、その全く逆の発想から生まれた技術になる。
従来の学習用問題集では、複数のスクラムを単に帯で束ねる帯留め方式、用紙を1枚ずつ糊で接着する糊付け方式、用紙にミシン目を入れて切り取るミシン目加工方式等があるが、同社の「剥がれ無線製本」は、顧客の問題を解決できるより良い方法と言えるものである。ミシン目加工では型から作る必要があり、コストがかさみ短納期には不向きなのに対して、「剥がれ無線製本」はコストダウンと納期短縮がメリットである。
商品は、問題と解答用紙を1冊に加工する「剥がれスクラム」と、スコア(全体楽譜)でパート譜をまとめて1冊にする「剥がれ中綴じ」、教材ドリルや医療事務レセプト用紙など1枚ずつ剥がして使う「剥がれ無線」を提供し、これら3種を『剥がれ三兄弟』として市場拡大しているところである。スクラム・中綴じは、「天から地まで全体に糊を付けません。背全体に糊を付けますとスクラムごとに剥がれにくくなるからです。糊を付ける場所、量、糊を付ける箇所数、糊の種類、糊の塗り方を調整することがポイントになります。その部分が独自の手法であり、製本業界ではこれまで同じ手法で取り組んでいる製本会社がいませんでした」とのこと。
未使用段階でスクラム製本が離脱しないような適切な接着力と、使用時の剥がしやすさのバランスが求められるという。同時に見栄えの良さとクライアントの求める品質をクリアしていることで、着々と需要が広がっているとのこと。剥がれスクラム製本技術は平成21年11月に実用新案を登録し、さらに平成24年7月には改良版の『剥がれ中綴じ及び無線製本』でも実用新案登録した。
さらに同社では、新技術の剥がして付ける脱着可能な製本加工『だっちゃくん』を開発。コスト削減や利便性がある製本加工として注目が集まっている。『だっちゃくん』は分厚いテキストを持ち歩くことなく、必要な単元分を剥がして使用し、使用した後はそのまま元のテキストに戻すことができるのが特長だ。
パートごとに分かれた譜面を配布する場合に、楽器パートごとに譜面を剥がして使用したいケース、あるいは料理のレシピ本の必要な献立ページのみを剥がして見たい場合など、何度でも脱着可能な製本加工である。この脱着製本の技術も実用新案登録を取得した。
同社では、さらに商品価値を高めて、より使いやすくするために溶剤の開発を継続している。今後は冊子からの応用でカタログ、パンフレットなど商業印刷分野への需要も喚起し、市場を拡大していくとのことである。
何度でも剥がして付けられる脱着製本可能な『だっちゃくん』も開発

音楽出版業界では、楽譜をパートごとに剥がして使えることで好評を博している

サンプルとして制作した『だっちゃくん』 さまざまな用途に活用できる
