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(235) 株式会社和歌山印刷所
PODによる1冊からの名入れ伝票印刷サービス『フロムワン』で需要開拓
代表取締役専務取締役
百合川 壮氏
1945 年に創業した株式会社和歌山印刷所は、企業や店舗がビジネスで必要不可欠な伝票類の印刷で販路を拡大してきた。以後、地域で必要とされる総合印刷会社として事業を拡大し、伝票印刷では和歌山県下のリーディングカンパニーとして高い技術力とシェアを誇っている。そんな同社は今年、感圧紙でN40の薄紙に対応した富士ゼロックスの「Versant™3100 Press」を導入し、1冊から名入れ伝票印刷を発注できる伝票事業をスタートした。また、他の印刷会社と販売店契約を結び、同社の伝票印刷サービスを利用して顧客に伝票を提供できるようにしている。同業者にとってはノウハウが必要で参入が難しい伝票印刷を、自社商品として営業できるメリットがある。専務取締役の百合川壮氏に取材し、伝票印刷事業を中心に話を伺った。
- 株式会社和歌山印刷所
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本社 : 和歌山市狐島 609-9
TEL : 073-451-4111
http://wa-in.co.jp/
https://www.denpyouou.com/
http://flier1.sakura.ne.jp/ew/denpyouou/naire_lp/index.html
株式会社和歌山印刷所は、南海道の印刷会社から伝票印刷の外注を主軸に業績を上げてきたが、さらに全国に販路を拡大するため、2013年に伝票印刷に特化した通販サイト「伝票王」を立ち上げた。
「データ制作から納品まで自社工場による一貫生産体制で提供しており、お客様に制作・印刷・製本知識がなくてもフルサポートしますから安心して発注していただいています。豊富なオプションから選択できる上、オリジナル伝票も制作しており、昨年は1,700件を超える注文をいただきました」(百合川専務取締役)と、伝票を知り尽くしたプロとして細かな注文にも応えて業績を上げてきた。
そんな状況下、今年、富士ゼロックスの「Versant™3100Press」を導入し、オンデマンド印刷による軽減税率制に対応した領収証・納品書の名入れ伝票印刷サービス 『フロムワン(From1)』 を開始したのである。
「細かい組版や小ロットでニッチな伝票類の印刷ニーズがあったため、極小ロットの価格を明確にした印刷が不可欠だと感じ検討したところ、それを実現できるのはPODだとなったわけです。そこで伝票印刷が可能なPODを導入するためにさまざまなメーカーの機種を検討したのですが、伝票に必要な薄紙N40の印刷では、紙しわ、斜行、見当ズレが生じてしまい、満足できるPODを見つけることができませんでした。3年掛かってようやくそれらの問題を克服できる機種が製品化されたのですが、それが富士ゼロックスの『Versant™3100 Press』でした。そこで同機種を導入し、名入れ伝票を1冊から制作するサービスをスタートしたのです」とのことで、オフセット印刷と遜色がない品質をPODで実現している。現時点では、PODで薄紙N40の複写伝票印刷サービスを実現しているのは同社しかいないとのことだ。
『フロムワン』のほうはフォーマットが決まっており、領収証が全10タイプ、3枚綴りの納品書が全3タイプの計13タイプ。社名部分はパターン3種類と書体 4 種類を用意しており、顧客はその中から選ぶことになっている。
「最小ロットの1冊から複写伝票を注文できて、コストパフォーマンスに優れています。ロット数や加工内容によりますが、最短で3営業日で納品することも可能です。オフセット印刷だと1冊も10 冊もほとんど同価格ですが、PODだと10 冊の半額以下で1冊を作れます」。
「オフセット印刷では印刷後に丁合機にかけなければなりませんが、PODでは、刷り終わったら自動的に丁合されるのが大きなメリットです。作業工程の短縮化に伴うコストダウンを図れるのが特長です」とPODの利点を話す。
また、同社では『フロムワン』の事業展開に伴い、販売代理店契約を昨年から開始した。「同業者に販売代理店になっていただき、サンプル版に掲載している定型の領収証や納品書をお客様に売っていただくというものです。当社は代理店価格で卸して、残りをマージンとして受け取ってもらう仕組みです。サンプル版をお客様に見せて、そこに掲載している計13タイプの中から表示価格で売っていただくことになります」。
伝票印刷は通常の印刷物と違って薄紙対応や特別な品質管理などノウハウや設備が重要になるため、小規模印刷会社で自社一貫生産するのはかなり難しい。しかし、『フロムワン』を利用すれば、設備投資やノウハウを持つことなく、高品質な伝票を1冊から受注できるため、新規需要開拓に大いに貢献する商品になることは間違いないだろう。実際、既に数社の同業者と代理店契約を結んでいるとのことで、市場拡大のために販売代理店になってくれる印刷会社を募集しているという。
「印刷会社では小売店や企業から伝票印刷を直で請け負っているところが多いかと思います。当社の通販『フロムワン』を利用していただくことで、かなり利便性を感じていただけるでしょうし、PODによる自社一貫生産体制において安く提供していますから、他の通販会社と価格面でも勝負できると思います」と、価格面でも優位性があると話す。
今後、デジタル化が進めば、伝票印刷市場は先細りしていくだろうが、同社が顧客にしている県下の商店や中小企業のほとんどは、消費者やエンドユーザーのことを考慮するとデジタル化するのは難しく、手書きの領収証や納品書はまだまだ不可欠で需要は今後もあり続けていくとみている。展望としては「名入れ伝票印刷サービスに注力して需要を伸展させることができれば、PODの数を増やしたり、ポストプレスの製本加工を増大させたりしていく経営方針に舵を切っていくつもりです」とのことだ。
同業者の販売代理店を募集し、伝票印刷の市場拡大を目指す

1冊からの名入れ伝票『フロムワン』のサンプルカタログ(左)。同カタログ内には実際の領収証を貼付

「Versant™3100 Press」で伝票印刷
