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(214) 八欧産業株式会社

高輝度反射材を使った特殊プリント「マジックミラープリント」を開発

常務取締役
嶋 雅浩

反射材の販売・加工のリーディングカンパニーである八欧産業株式会社は、新市場の開拓を目指すために近年、反射材の技術開発や用途を掘り起こしてきた。そんな状況下、デザイナーと手掛けたリフレクターT シャツを発表した「TOKYO DESIGNWEEK 2016」を契機に、高輝度反射材の高精細プリント技術を完成させ、このほど、同社独自の技術( 実用新案取得済)として「マジックミラープリント」(仮称) の名称で事業をスタートさせた。これは通常では見えないグラフィックをフラッシュ撮影するとカラフルな色が写真に写るという特殊なプリントで、今年から本格的に販促を開始させている。同事業を先頭に立って進めている常務取締役の嶋雅浩氏に、「マジックミラープリント」について取材した。

八欧産業株式会社
本社 : 東京都杉並区南荻窪4-38-11
http://www.yao-sangyo.co.jp/

見えなかった絵柄がフラッシュ撮影した時だけ写真に写る特殊プリントを独自開発

八欧産業は、マーキングフィルムから標識・交通安全サイン、反射布、路面標示、ガラス用フィルム、建築外装フィルム、両面テープ・接着剤など、スリーエムジャパンのさまざまな商材の販売を主な事業としている。「当社はスリーエムジャパンの特約加工販売会社で幅広い材料を扱っており、自社で加工も請け負える特徴もあります。当社には営業マンがいないので、仕事を取りに行って他社とバッティングすることは、まずありません」と、顧客からの注文を受け黒子役に徹することを経営方針にしている。

約1,000社の取引先を抱えていて安定した売上がある同社ではあるが、「当社にしかできない技術を確立して、世の中に貢献していく商品を開発することはできないものかと、10年ほど前から模索してきました」と、嶋常務は言う。

そこで、反射フィルムを使った新しい商品の開発に着手した。これまで反射フィルムは車のヘッドライトが当たれば光って見える安全対策のための商品にしか使われてこなかった。その一つに警察や消防関係者などのユニホームの背中の文字がある。同社が反射フィルムを文字の形にカットして、生地を支給してもらいアイロンによる熱転写方式で文字を圧着プリントしているという。これは安定した仕事として請け負っているという。

反射フィルムの加工では、以前は量産性やスピードに課題があったため、2015 年にレーザー加工機を導入。高い生産性だけでなく、反射フィルムを網点のような細かなデザインでも加工することが可能になった。

最初にこの技術を発表したのは、電通のデザイナーとのコラボレーションによる古着のリメイクブランドのファッションだった(「RE:LIGHT」)。「東京ビジネスデザインアワード2015」に応募したところ、高く評価され優秀賞を受賞した。さらに翌年には、ファッションデザイナー深津研人氏のブランド「Metaphor...(メタファー)」とコラボし、深津氏のフルカラーデザインを同社の高精細の反射プリントで熱転写印刷した付加価値の高いTシャツとして発表、「TOKYO DESIGN WEEK 2016」に出展した。「Tシャツをフラッシュで撮影した時に、見えるデザインが変わるという、今までにない技術が展示会で評判を得ました」。

昨年は、国立公文書館で秋の特別展「躍動する明治-近代日本の幕開け-」が開催された際に、特別展の企画の一つである書道アート『躍動の翼』のグラフィック制作と施工を手掛けた。これは書家の今井綾円氏が書いた「躍動」の文字が同社の独自技術により、肉眼で見ると黒一色の文字が、フラッシュ撮影すると、カラフルな虹色に写るというアート作品で、来場者の注目を集めた。また、同年12月には東京ビッグサイトで開催された「中小企業 新ものづくり・新サービ展」に、この高輝度反射材の高精細プリント技術と「マジックミラープリント」を出展し、多くの来場者の関心を集めた。

「従来のプリント技術の延長線上ですが、今までになかった商品なのでビジネス展開が可能だと考えています。しかも写真撮影で見せるもので言語は関係なく、外国の人たちにも一目で分かってもらえるインパクトがあります。この技術は世界でも通用するのではないかと思っています」とのことで、ゆくゆくは海外での展開も検討したいとのことだ。

「とにかく今はスマホで撮影する時代であり、若い人を中心にインスタ映えするフォトスポットのニーズが高いですから、このフラッシュ撮影によってデザインや見え方が変わる当社の技術は受け入れられるのではないでしょうか」。グラフィックプリントなのでアミューズメント系、イベント系だけでなく、人を集めたい店舗、役所、駅、各種施設など様々なマーケットが期待できる。

「ただ当社は自ら営業開拓や広報宣伝をしてこなかったために、世間に周知させるノウハウや手法を持っていません。企画や商品づくりでご提案していただき、お客様とともに商品開発していければと考えています。それで今年度は“ 販促の年”として本格的にビジネス展開していくつもりです」と、嶋常務は意欲をアピールした。

書道アートの「躍動」の文字がマジックミラープリントによりフラッシュ撮影するとレインボーカラーに変化する。通常時(左) とフラッシュ時
書道アートの「躍動」の文字がマジックミラープリントによりフラッシュ撮影するとレインボーカラーに変化する。通常時(左) とフラッシュ時

企画・アイデアのある顧客に反射材を提供するための販促展開を本格的にスタート

ミラーパネルをフラッシュ撮影するとカラフルな絵柄が写る仕掛けも可能。通常時は何も映っていない黒い鏡(左) とフラッシュ時
ミラーパネルをフラッシュ撮影するとカラフルな絵柄が写る仕掛けも可能。通常時は何も映っていない黒い鏡(左) とフラッシュ時