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(236) 株式会社武揚堂

地理空間情報システムを基盤に顧客のニーズに合わせた地図を社内一貫制作

代表取締役
小島 武也

今年で創業 123 年になる株式会社武揚堂は、地理空間情報コンテンツ制作、地理情報システム、地理情報調査、デザイン・プランニング、プリンティング、サイングラフィックなどを提供する地図づくりのリーディングカンパニーである。戦前は軍用図書はじめ辞典の出版や国の刊行する地図販売を生業とし、戦後は地図の販売から再開し、道路地図や教科書副読本の出版、地図作成を幅広く行ってきた。時代の変遷と共に市場や顧客のニーズに応じたサービスを展開してきたが、今日では地理空間情報をいかに生活に役立てていくかに重点を置き、デジタル化に対応した新しい事業に注力している。経営方針や地図制作を基盤に取り組んでいる事業について、小島武也社長に話を伺った。

株式会社武揚堂
本社 : 東京都中央区日本橋 3-8-16
TEL : 03-3714-7431(目黒事業所)
https://www.buyodo.co.jp/

顧客を支援するロケーションベースマーケティングも目指す

株式会社武揚堂の主な取引先は、国土交通省、海上保安庁、国土地理院などの省庁はじめ、全国の各自治体、公共機関などで、近年は自治体の地図を作成することが増えている。自治体の場合は入札制度によって採用されて、仕事を請け負うことになる。「印刷物になる前に弊社から提案したり、見積書を提示したりすることもあるが、最後は入札によって決められます。自治体では地域活性化、防災関連のガイドマップ、観光ガイドであるとか、さまざまなニーズがあります。それらのニーズに合わせた提案をして入札に臨むことになります」とのことだ。

印刷物としての地図を制作する場合はDTPになるが、Adobe Illustratorを使って制作することがほとんどである。「顧客から入稿されたさまざまな地図データを集約・編集する作業については、GIS(地理情報システム)でデータ処理を行い、Illustratorに読み込ませて地図を仕上げることになります。また、弊社ではGISに必要な地図データの整備・入力はもちろんのこと、システム自体の構築やGISエンジンの販売なども行っています」と、GISに関するビジネスをトータルにサポートしているのが特徴である。

GISの利用や運用目的については、不動産業界では不動産の物件管理、施工管理、デューデリジェンス(プロジェクト等に関する適切な調査)。小売・飲食業界ではエリアマーケティング、顧客管理、施設管理、ポスティング。物流業界・交通業界では物流ルートの最適化やCO²排出削減による環境対応、ルート明示によるサービス向上などが挙げられ、さまざまな分野で活用されている。

また、GPSデータを取得してWeb地図上に位置情報を表示させるサービスも行うなど、顧客のニーズや課題に合わせて地図制作を基盤に最適な解決策を提案している。

さらに、同社ではカナダAvenza社が開発した、オフライン地図アプリケーション「Avenza Maps(アベンザマップス)」を使って、iPhoneやiPad、Androidのスマートフォンやタブレット上で地図を公開できるサービスも行っている。スマートフォンに地図を入れて外出先で効果的に使用できるようにし、観光マップ、防災マップなどのナビゲーション用に活用できるサービスも展開である。

「弊社では企画から印刷物まで全ての制作に関する設備・システムを保有していますから、一気通貫の制作が最大の強みになり、営業ではその点を強調しています」と、社内一貫体制による制作で臨んでいるとのこと。

また、「制作できる仕事の種類が豊富なため、幅広い提案ができる点も他社との差別化になっていると思います。情報の伝達方法はオフセット印刷による紙媒体以外にも、デジタルデータはじめ、屋外広告、施設の外装・内装のサインディスプレイ、カーラッピングなどの制作も行っています」と、アナログからデジタルまでさまざまなコンテンツ制作に対応している。

「今後は地理空間情報の利活用のスキルをさらに強化し、企業の販促活動をサポートするロケーションベースマーケティング(LBM)への取り組みにも注力していくつもりです」と、ビジネスの展望を話す。

経営理念は「売り手である会社と、買い手であるお客様と、世間に当たる社会」を豊かにする『三方よし』の精神を目指しています」とのことだ。

同社は歴史と伝統を受け継ぎながら事業活動を進めている。「企業は永続することが目的だと考えています。永続していかなければ、働いている社員やその家族、得意先や取引先、そして社会に報いることができないからです。そのために企業活動をしっかりと行い、次代に繋げていけるよう邁進しています」とステークホルダーを大切にした事業活動を心がけている。また同社では環境マネジメントシステムを構築・運用し、環境負荷の低減への取り組みはもちろんのこと、BCPの策定と運用、データのバックアップ、安否確認システムの導入、社内に自衛消防隊の組織、地域社会貢献など、CSR 活動にも熱心に取り組んでいる。

デジタル化が進む社会で、企業はDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けた対応が求められている。「印刷業は大きな転換期に来ています。コロナ禍でもあり、非常に厳しい市場環境ですが、一方で地理空間情報には多くの可能性があり、利活用の場が広がっているのを感じます。しかし、ただ紙に地理空間情報をパッケージングするだけでは今後の成長は見込めないでしょう。地理空間情報をいかに生活に役立てることができるかに視点を置いて、『モノづくり』から『コトづくり』企業へ転換していくことが大事であり、弊社ではそれを目指しています」とビジョンを語る。

生活に役立つ地理空間情報を提供し「コトづくり」を目指す

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