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(182) 株式会社イナミツ印刷

自社のブランド化で社員が一体化し向上心が高まる

代表取締役社長
稲満 信祐

強みや特徴を打ち出して、会社をアピールする時代になった。印刷会社の業務内容は大差がないだけに、会社に個性を持たせてブランド化することは重要な戦略である。株式会社イナミツ印刷では「ブランド化プロジェクト」を一昨年にスタートし、企業ロゴの作成や制服、会社案内、名刺など、さまざまなツールで同社の世界観を表したブランド化を行った。稲満信祐社長にブランド化を推進した経緯や効果について取材した。印刷会社がブランド化して個性を打ち出すことの重要性を改めて認識するもので、参考になる取り組みだと言えるだろう。

株式会社イナミツ印刷
東京都品川区東品川1-17-2
http://www.inamitsu.co.jp/

社長は経営理念を策定し方向性を示し2名の担当者が主体になって進めた

稲満信祐社長が勤めていた製薬メーカーを退職し、専務取締役として入社したのが、平成26年2月のことだった。その後、昨年10月に稲満信二前社長に代わって社長に就任したが、その間に稲満社長は『ブランド化プロジェクト』を推進し会社を変革した。

最初に経営理念や経営方針を早急に作り直す必要を感じたという。「経営理念に環境保護印刷に注力することを掲げました。これがブランド化の根底にあります。社員のモチベーションは、最終的には世の中の役に立ちたいというもの。社員が自分たちの会社が良いと思えるような会社づくりをすることが、地域やお客様にも貢献することになると考えています。そのことを社員に伝えるための経営理念を策定しました」と、経営理念の重要性に触れ、それを具現化する上で、社員のモチベーションや会社のロイヤリティを高めるための施策として『ブランド化プロジェクト』を推進したという。

「入社して社員から会社の状態や内情を訊きますと、社員が一体となって何かに取り組んだり、若手社員が仕事以外で活動したりすることがなかったので、何とかして活性化したかったわけです。そこで当社の方向性や目指しているものを形で表して、イメージアップを図ることが必要だと感じて、若手から2人を選任し、『ブランド化プロジェクト』と銘打ってスタートさせました」という。

ただし、2人の社員に任せるにしても、ブランド化事業を遂行するノウハウを持ち合わせていないため、進め方やデザインなどは外部の専門スタッフのサポートを得て行ったという。

同社は同業者の受託生産が中心で、約7割を印刷会社や出版社から受注しているという。しかもモノクロ印刷に注力している印刷会社であるから、このモノクロ印刷に特化している点をアピールすることが、ブランド化では必須だった。「私が全体の指揮を執って、会社のコーポレートカラーをリメイクすることを明言し、モノクロで統一することにしました」。

「作業については基本的に口出ししないことにしました。担当の2人の主体性に任せて、デザインの提案やさまざまな意見を出し合って社員皆が協力し、仕事の合間に時間を取って創り上げていきました。ただし、具体的なロゴ制作やホームページ制作などは、外部の専門スタッフに依頼して、実務でサポートしてもらっています」と、述懐する。

最初に会社のロゴづくりに取り組んだわけであるが、丸いロゴは稲満の「稲」を模して、紙を線に、点をインクに、日をローラーに見立てて表現し、1文字のデザインで印刷機をイメージするものにした。

「ロゴは、この界隈が旧東海道に近いので、昔の木版のイメージも醸し出してみました。それと、天王洲アイルの近代的な街並みも近くにありますから、社名の印刷の文字までローマ字にしたところ、丸ロゴとローマ字がどことなく似ていました」とのこと。これによって、柔軟性と遊び心が内在した同社の世界観を見事に表したロゴマークとなった。

また、従来の会社案内とホームページ、名刺、封筒類など媒体も作り直した。しかも、新たに社章、社員のユニフォーム(ブルゾン、ポロシャツ)、社員証などもモノクロのデザインで統一し、ブランド化を徹底した。

「ブランドを構築したことで、社員の一体感が強くなった」という。任されて自分たちの手で作り上げたという達成感と、プロジェクトによって社員が一体化し、常に向上心を持って仕事に取り組めるようになったことは何ごとにも代えがたいと言えるだろう。

社員は成し遂げたという達成感で自信を持ち、モチベーションが高まった

ポロシャツと社員証
ポロシャツと社員証
新たに社章を製作
新たに社章を製作
刷新した名刺
刷新した名刺
シャッターにもロゴを表示
シャッターにもロゴを表示

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