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(217) イシイ株式会社

sky-eye プロジェクト「空視(ソラシ)」を主体にドローン関連事業に注力し需要を創出

常務取締役 事業営業開発
徳永 竜吾

ドローンのビジネス市場が拡大している。インプレス総合研究所によると、2024年度には2017年度の約7倍の3,700億円ほどの市場になると予測している。近年は印刷業界でもドローン事業に乗り出す会社が出てきていることからも、ビジネスが創出され市場が拡大しているのが窺えるが、大阪市中央区のイシイ株式会社(GC近畿) では、ドローンによる空撮事業を軌道に乗せている。個々の空撮の依頼に応えるだけでなく、空撮ストックサービスとしてsky−eye プロジェクト「空視(ソラシ)」を展開している。また、小学校のプログラミング教育用として業界初の取り組みとなるDJI製ドローン「Tello EDU」の教材の販売も開始した。ドローン事業を統括する常務取締役の徳永竜吾氏に同社のドローン事業について取材した。

イシイ株式会社
本社 : 大阪市中央区瓦屋町2-10-25
TEL:06-6768-1577
https://www.ieps.co.jp
https://sorasi.jp/

ドローンを趣味で飛ばしていた社員が手を挙げたことから事業がスタート

イシイ㈱は、印刷の領域を超えてワンストップサービスで多彩な事業を展開している総合印刷会社である。早くからデジタルコンテンツ制作に着手し顧客のニーズに応えてきたが、2016年秋よりドローンによる空撮事業も始めた。

「当社では以前から動画制作をしていましたから、その延長線上でドローンの空撮も始めました。ある時、お客様から“ドローンによる空撮はできないか”と問い合わせがあり、趣味でドローンを飛ばしていた社員がいたことから、これは仕事としても空撮が成り立つと考えたのです。それがきっかけで、事業として立ち上げることを企画し、ドローンに関する資格をその社員に取得してもらい、本格的に空撮事業を開始しました」と、徳永氏は事業を始めた経緯を述べた。

同社で国土交通省の「日本全国年間包括許可」を取得している他、(一社)日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の「操縦技能証明証」や「安全運航管理者証明証」を取得し、撮影に臨んでいる。現在、ドローン事業に携わっている社員は6名で、そのうち資格を持ってプロとして飛ばしているのは2名だという。機体も手のひらサイズから4K 対応の高スペック機まで計6台所有している。

「空撮の仕事を単体で受注するケースは少なく、通常は動画制作の一環から空撮もできることを提案したり、既存のお客様に販促物の制作をいただく際に空撮の案件について打診したりして、普段の営業を通じて受注することが多いです」とのことだ。

依頼で多いのはビルなどの建造物、ゴルフ場、工場といったところだ。工場では内部の狭い個所を低空で飛ばして撮影することもしており、顧客のドローン撮影へのニーズは多様になっているようだ。

そんな状況下、sky-eyeプロジェクト「空視(ソラシ)」という名称で、ドローンによる空撮ストックサービスを始めた。通常、撮影許可が取りにくいロケーションや顧客の多様なニーズに応えて空撮した映像を随時ストックし、空撮動画を利用したい顧客に使用権を低料金で貸し出すというサービスである。

「全国各地の名勝、世界遺産、夜景などに許可申請し撮影しています。ロケ地のイメージアップや地域活性化などへの貢献を目的に映像を提供しています。当社は地元の市や撮影対象物を持っている方とタイアップして撮りますから、撮影許可が得られやすいのが売りです」と言う。手順を踏んで着実に許可を得て撮影する上に、映像のクオリティにも注力している点が、他社と差別化しているところと言えるだろう。なお、ストック動画はYouTubeに「空視Channel」としてアップし、誰もが見られるようにしている。

「ドローン撮影を事業として社内で始めるのであれば、社員の中から手を挙げる者がいないと難しいかもしれません。従来の印刷とは違って新しいビジネスですから、賛同し積極的に取り組む社員がいるかどうかがポイントになります。これは何もドローンに限ったことではなく、新しいビジネスを始めるに当たって重要なことだと思います」と語る。

また、ドローンによる空撮は「ただ上空から撮影するという操作だけでなく、構図や撮影角度などを考慮し、最適な上空にドローンを飛ばして撮影するセンスが求められます。そして、空撮すること自体が好きであるという趣向も当然求められます。顧客から具体的な案件の撮影があった場合に、顧客に満足していただける動画を提案し顧客満足度の高い撮影ができることが重要になるでしょう」と、ドローン事業を始めるに当たってのポイントを指摘する。

さらに、ドローンに関する新しい事業を開始した。2020年度から全ての小学校でプログラミング教育が必修化されるが、同社ではプログラミングを楽しく学べるドローンプログラミング教材セット、DJI製ドローン「Tello EDU」の販売に乗り出した。

「子どもたちにプログラミング的な思考を育ませ、技法によってプロセスを学び、考える力を身につけさせるのが目的です。ドローンであればより一層楽しく学んでもらえると思います。プログラムの指定と作成、モニター上でのドローンプログラム飛行の実践といったカリキュラムを用意しています」と、いち早くプログラミング教育を支援するビジネスを開始した。ドローンによる空撮ビジネスに注力し、事業領域を広げているのを見ると、社員一人ひとりの仕事に対する心構えや意識の高さが窺える。同社の業態変革が確実に進んでいることを実感した。

ドローンを操作するスタッフ
ドローンを操作するスタッフ

子どもたちが楽しくプログラミングを学べるドローンプログラミング教材も販売

広島の原爆ドームの空撮動画。「空視」でストックし貸し出している
広島の原爆ドームの空撮動画。「空視」でストックし貸し出している