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(227) 株式会社サムライズ
DTPワークフローを自動化しコスト削減を 実現する『Adobe InDesign Server』
デジタル・トランスフォーメーション事業部 事業部長
土屋 直樹氏
アドビシステムズ社のサーバー製品の販売代理店である株式会社サムライズ(谷 利太郎社長)は、DTPソフト「Adobe InDesign」のコアエンジンをサーバーにした『Adobe InDesign CC Server』を提供している。同サーバーをベースにしたワークフローを構築すれば、DTP業務の効率化、コスト削減が図られるだけでなく、多様化するコンテンツ制作を並行して作業できるのが特長だ。レイアウトデザインをテンプレート化すれば、組版を自動化できて大幅に作業時間を短縮できるため、定型刊行物やカタログ制作を主体にしている印刷関連会社が導入すればメリットは大きい。デジタル・トランスフォーメーション事業部事業部長の土屋直樹氏と、マーケティンググループグループ長の藤井義隆氏に『Adobe InDesign CC Server』について取材した。
- 株式会社サムライズ
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本社:東京都品川区大崎1-6-4 新大崎勧業ビル10F
TEL:03-5436-2040(代表)
https://www.samuraiz.co.jp/
デザインテンプレートを用意してテキストや画像データを流し込む組版に最適なシステム
株式会社サムライズは、2006年の設立以来さまざまなITソリューションとサービスを提供しているが、2010年にアドビシステムズ社の販売代理店となり、DTP業務の自動化をサポートする『Adobe InDesign Server』を販売し、印刷ワークフローの作業効率化を支援してきた。現在10年目を迎えて、『Adobe InDesign CC Server』(以後、『InDesign Server』)を提供している。
『InDesign Server』は、「DTPオペレーターがInDesignで行っている組版をシステムの中に組み込んで自動的に作業を行い、印刷データとしてアウトプットするものです」(土屋事業部長)と、組版を自動化することを目的としたシステムだという。自動化する上で最も力を発揮するのは、レイアウトが決まっている雑誌やカタログになる。
「入稿される写真のサイズやテキストの見出し、あるいは採用するフォントなどを決めてレイアウトをテンプレート化してあれば、外部のデータベースやCMS、PIMなどを通じてコンテンツを大量に流し込んでも自動的に組版できるようになっています」(土屋事業部長)。そのため、定型のレイアウトで誌面構成するカタログ、雑誌などの定期刊行物の制作を行っている印刷会社などに向いているシステムになる。
印刷会社が『InDesign Server』を導入する第一の理由は、コスト削減や納品のスピードアップ、バリアブルデータパブリッシングのニーズに対応できることが挙げられる。また、テンプレートデザインサービスによるWeb to Printの構築など新事業の展開に利活用できるのも大きい。
また、新聞社や雑誌社、カタログ通販会社が導入した場合は、ワークフローの効率化や、PC、スマートフォン、タブレットなど、さまざまなメディアに向けたコンテンツのパブリッシングが実現できることになる。一つ気を付けておく点としては、『InDesign Server』とクライアントのInDesignとは同じバージョンで運用することを勧める。「バージョンが異なると、文字化けしたりデザインが崩れたりする可能性があります」(土屋事業部長)とのことだ。
さらに、『InDesign Server』のプレミアム版を印刷会社が導入した場合は、印刷会社のクライアントがInDesignのライセンスを持っていなくても、印刷会社の『InDesign Server』にアクセスしたサービスの利用が可能になっており、クライアント自身がWebブラウザなどを使用して販促ツールや各種印刷物を作成することができる。さらに、マルチインスタンスにすることで、複数の異なるシステムIDを設定して、別々の組版作業を同時に並行して行える機能になっている点も特長である。
「現在は紙用データとWeb用データのコンテンツの共有化が不可欠です。その場合に『InDesign Server』を核にしたワークフローを構築すれば、1回の処理で紙とWebのデータを同時に作ることもできます。実際、弊社のお客様もそのように使われているケースが多いです」(藤井グルー プ長)とのことだ。
通常使っているクライアント版のInDesignでも多少は組版を自動化できるが、コンピュータに指示した通りに実行するスクリプトを組んで、全ての組版作業を完結するというのが『InDesign Server』である。そのため、システムエンジニア(SE)やプロクラマーによって自動化を実現するためのシステムを構築しなければならない。
「弊社あるいは弊社パートナーがシステム構築し、お客様はテンプレートをご準備いただくことで自動化が可能になります」(土屋事業部長)とのことで、同社では顧客のニーズに合ったシステムを構築するSI(システムインテグレーション)作業を請け負って全面的にサポートしている。
印刷工程のワークフローを自動化していくことが、人手不足の解消やコスト削減に繋がるわけであるが、DTP業務の人件費をただ削減するためだけでなく、作業の自動化を進めながら、一方でテンプレート化が難しい複雑なデザイン業務に人手を割いて、生産性の向上を図るようにしたいものである。
このように、導入した印刷会社の運用の仕方によって、BtoB、BtoCそれぞれにさまざまなサービスを展開していくことができるのが『InDesign Server』である。今後ますますデジタルと紙を融合させたマルチサービスが求められてくる中で、効果を発揮すると言えよう。

『Adobe InDesign CC Server』を中核にしたワークフロー概略図
デジタルコンテンツと紙媒体を融合させた マルチデバイスに対応した制作展開を

デジタルと紙を融合したマルチ展開を実現
