月刊GCJ
GCJビジネス開拓だネット

(190) 株式会社フューチャーワークス

訪問歯科業務を支援する提供文書作成・送信サービス『訪問歯ロー!』

代表取締役
市川 浩

歯科医院の患者へ再来院率の向上を目的とした歯科医院向け来院促進サービス『ケータイ歯ロー!』を提供している株式会社フューチャーワークスの市川浩社長は、4年前に新たに訪問歯科専用の提供文書作成・送信サービス『訪問歯ロー!』を開発・構築した。同システムは歯科業界に精通している市川社長ならではのアイデアツールで、歯科医院に来院できない高齢者などの患者宅へ、歯科医師が訪問し治療した際に、各種提供書類を簡単に作成し管理・送信する歯科医師の業務を簡便化するシステムである。市川社長に『訪問歯ロー!』について取材した。

株式会社フューチャーワークス
東京都世田谷区中町1-24-2-105
http://www.futureworks.co.jp

ケアマネに報告する「居宅療養管理指導」の文書を簡単に作成し送信するシステム

市川社長が『訪問歯ロー!』を構築するきっかけとなったのが、歯科医師からの相談だったという。「歯科医師が介護保険を利用している患者さん宅を訪問し治療すると、それをケアマネージャーに報告する義務の『居宅療養管理指導』があります。従来は、訪問歯科医師は1日数件患者宅を回って戻ってくると、文書を作成し、それぞれの患者のケアマネージャーにFAXを送信していたわけです。その業務は場合によっては数時間を要することもありかなり大変でした。そこである歯科医師から、訪問した後に車の中からでも入力し、そのままケアマネージャーに送信する仕組みを作ることはできないかという相談を受けたわけです」と市川社長は発端を語った。

市川社長は訪問歯科を応援していたので、何とかニーズに応えたかった。「これまで歯科医院は外来が中心で、医院に来られない患者さんまで面倒を見切れていませんでした。そこで患者さん宅を回っている訪問歯科医師の業務をサポートしたいという気持ちで開発することにしました。システムは医師のニーズを聞きながら改善していきました」と、語る。

現在、同システムで訪問歯科診療業務をバックアップしている書式は8種類ある。特長は①手書き感覚で書類を簡単作成。②基本登録により毎回送信先を入力する必要がない。③定型文引用機能で文書作成をスピードアップ。④過去の患者データを簡単検索。⑤多人数の書類作成も可能。⑥医院の内外、いつでもどこからでも送信可能。⑦作成した提供文書を一括プリントでき、FAXまたはメールで一括自動送信。まる⑧FAX送信状、メール送信状の有無及び自動発行。⑨作成した提供文書の保管。⑩ぺーパーレスで場所を取らない。などが挙げられる。

同システムはクラウドサービスで提供しており、インターネットに接続しているPCやiPadの機器で、閲覧用ブラウザの環境があればどこからでもアクセスでき、利用することが可能である。歯科医師は契約すると、管理画面からクリニックID、ログインID、パスワードを入力してログインして利用する。月額基本料金は、スタートプランが5,000円/月(登録患者数1~10名)、スタンダードプランが20,000円/月(登録患者数11名以上)。

市川社長は「これまではWebサイトと口コミがほとんどで、とくに営業はしてきませんでしたが、今年からはDMの郵送やチラシ配布を行い、もっとPRして市場拡大を図っていくつもりです。訪問歯科医師のニーズに応える『訪問歯ロー!』は、ケアマネージャーだけでなく、患者の家族、主治医など関連する職種の人にも同時に自動送信できるようになっています。また、地域医療が求められている今日、多職種連携は不可欠です。そのコミュニケーションツールとして活用できますから、多くの歯科医師に使っていただきたいです」とのことだ。

誰もやっていない新規サービスであるが、「お客様から相談や困りごとを聞きますと、それを解決するためにはいろいろと調べなければなりません。専門性が高まって深く考えるようになりますと、そこにアイデアが生まれてくるものです。それをチャンスだと思ってチャレンジしていくことが大切ではないでしょうか。印刷会社であっても自社でコントロールできる商材を見つけて、協力会社と共に市場開拓していければ、明るい将来が見えてくるはずです」と、市川社長はアドバイスする。

考えてアイデアが生まれ、チャンスと思ってチャレンジしていくことが大事

『訪問歯ロー!』の仕組みの概略
『訪問歯ロー!』の仕組みの概略
提供文書フォーマットのサンプル画面
提供文書フォーマットのサンプル画面

掲載号(2017年2月号)を見る