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GCJビジネス開拓だネット

(240) 株式会社イソップ企画

クラウドファンディングによるモノづくりプロジェクトが成功を収める

常務取締役
永井 久雄

新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、新たなモノづくりを始めたのが、GCJ組合員の株式会社イソップ企画(GC近畿、児島隆夫社長) である。同社は 2020年10月、モノづくりを通じて、作る人は働きがいを持ち、製品を購入した人は笑顔になるというコンセプトで、クラウドファンディングによる『ZUTTO project』を立ち上げた。障がい者福祉施設の人たちと力を合わせて紙袋のような皮革のバッグを製作し、クラウドファンディングの大手企業 Makuakeでプロジェクトを展開し、想定以上の支援金が集まり成功を収めた。プロジェクトの経緯や成功した要因などについて、同プロジェクトを担当した永井久雄常務取締役に取材した。今回のプロジェクトの成功を受けて、同バッグの通販を開始する意向もあるとのことで新事業へ意欲を示している。

株式会社イソップ企画
本社 : 大阪市浪速区元町 1-5-7 ナンバプラザビル 9F
TEL : 06-6632-0234
https://www.aesopnet.co.jp

製作は障がい者施設に依頼してSDGsを担うプロジェクトに

㈱イソップ企画は、グラフィックデザイン・webデザインはもちろんマーケティング・広告・DTP・システム開発までトータルにサポートしている企画制作会社である。

永井常務はクラウドファンディングのプロジェクトを開始した経緯について次のように話した。「昨年3月に新型コロナウイルスの感染拡大で、マスクが市場から一旦姿を消した時期がありましたが、外国に生産を頼っていたことが大きな要因ということで、弊社としては『MADE IN JAPAN』に拘り、自社商品を製造販売していきたいと考えたのです。その際に資金供給についても新しい試みにチャレンジしようと、クラウドファンディングを選択したわけです。弊社では以前からECサイト事業で、BtoB向け革製品専門のノベルティを販売する『本革工房.com』を運営していましたが、クラウドファンディングはBtoC向けの要素が高いため、弊社もコロナ禍を契機にBtoC向け商品を展開しようということで、『ZUTTO project』を立ち上げて事業展開することにしたのです」と、クラウドファンディングによるモノづくりプロジェクトを始めた経緯を振り返った。

『ZUTTO Project』は、良好な関係がずっと(ZUTTO)続くような社会を実現することを理念に、「モノづくりを通じて、作る人は働きがいを持ち、購入した人は笑顔になる」というのをコンセプトにしている。サスティナブル(持続可能)な社会を目指して一歩ずつ取り組むことで、小規模会社でもSDGsに貢献できると考えたのである。

クラウドファンディングサービスに関しては、多くの実績があり、同社のコンセプトに合致したMakuakeを選んだが、実際にプロジェクトを立ち上げたものの、クラウドファンディングに初めて取り組むわけであるから、その仕組みを理解し、同社が目指すSDGsの精神に基づいた製品化が可能なモノづくりを展開する必要があった。

肝心の製品について永井常務は、「レジ袋が有料化され、買い物袋が見直されていましたが、単なるエコバッグでは面白くないし、長く使えてエコにもなって、紙袋にはないデザイン性や経年変化も楽しめることから、薄くて軽い皮革のバッグを開発することにしたのです。製造してくれる人たちを探していた時に堺市に紹介されたのが、市内の障がい者福祉施設でした。その人たちと力を合わせて『MADE IN JAPAN』のバッグを1個1個手作りすることになりました」と、皮革のバッグにした理由を話す。

同バッグは、牛皮の素材を1枚1枚手作業で薄さ0.5mmまで漉いて製作。しかも極力縫製を減らし接着加工による貼り合わせで軽量化を図っている。コンパクトに折りたためるのが特徴で、Aの大容量タイプとBの機能性タイプの2種類を作って選べるようにした。製品化するまでに、打ち合わせや準備に半年以上を要したという。

実際にクラウドファンディングをスタートさせたのは、2020年12月22日で、終了したのが 2021年2月27日ということで、募集期間はわずか2ヵ月という短期間だった。その期間になんと623人のサポーターから727万円という支援金を集めることができたのである。「ALL-or-Nothingという方式にしたのですが、これは40万円の支援金が集まらなかったらプロジェクト自体が無かったことになるというものです。当初想定していた金額は100万円でしたが、それをはるかに上回る支援金が集まり驚きました。それで量産できる体制を急遽整えることにしたのです」とのこと。

同プロジェクトのコンセプトに心を動かされ共感した人たちが多かったことが窺い知れるが、それだけ同社の働きかけがあったからだと言えるだろう。昨年秋から児島社長や担当者である永井常務などが中心となり、得意先に熱心にプロジェクトのことを話したり、営業先でも話題に出したりして支援を仰いだ活動が功を奏したに違いない。それが実ってこれだけ多くの人たちの支援が集まったといえよう。

Makuakeのサイト上に『ZUTTO project』を立ち上げ、皮革のバッグについて詳細な説明を記載し、そのサイトから購入できるようにした。バッグは定価1万円であるが、いち早く支援した人には超早割(1個購入は25%OFF、2個購入は30%OFF)によって安く購入できるようにした。購入はタイプ別に1個、組み合わせ自由の2個の販売と複数の選択肢を設けて、ニーズに応えるようにした。「支援金を多めにしていただいた方には、サイト上に芳名録として氏名を掲載しました」とのことだ。

支援金の使い道は、皮革の購入資金、障がい者福祉施設への製作工賃、梱包材・発送費、Makuakeへの手数料などに充てられるが、今回のプロジェクトの成功を受けて、「ゆくゆくは自社サイトで今回の皮革のバッグの生産販売を進めていく考えもあります。また、新たなモノづくりのプロジェクトも推進していく考えがあります。印刷同様に『MADE IN JAPAN』には拘っていきたいです」と、BtoBだけでなく、BtoC向けの製品の開発販売の構想もあるという。

「MADE IN JAPAN」に拘ったエコで良質の皮革のバッグが支持される

 
障がい者福祉施設の人たちが1個1個手作りする
障がい者福祉施設の人たちが1個1個手作りする
販売された皮革のバッグ<br/>右=A大容量タイプ(高さ約25cm×幅約19.5cm×マチ約12cm)<br/>左=B機能性タイプ (高さ約26cm×幅約23cm×マチ約7.5cm)
販売された皮革のバッグ
右=A大容量タイプ(高さ約25cm×幅約19.5cm×マチ約12cm)
左=B機能性タイプ (高さ約26cm×幅約23cm×マチ約7.5cm)