月刊GCJ
GCJビジネス開拓だネット
(212) 有限会社柴田印刷
コインが転がるオリジナル紙製貯金箱「コロコロコイン」を開発
代表取締役
柴田 寛氏
貯金箱と言えば、金属製やプラスチック製、あるいは木材と、さまざまな素材がある。また、形状・デザインも千差万別だ。もちろん紙製も多く出回っているがほとんどがボックス型である。しかし、有限会社柴田印刷が考案した貯金箱「コロコロコイン」は、形状が厚紙を独自に貼り合わせた紙製のボードで、投入口から500 円硬貨を入れると、紙の中の溝をまさにコロコロと転がって、積み立てられていく仕組みになっている。昨年から本格的に販売に乗り出して、そのアイデアの面白さから好評を博している。開発した柴田社長に「コロコロコイン」について取材した。
- 有限会社柴田印刷
-
本社 : 東京都板橋区熊野町24-7 1F
https://corocorocoin.net/
「デザインが自由」「環境に優しい」「場所をとらない」など多くのメリットがある
平成5年に設立した(有)柴田印刷は、シール、パッケージ、伝票、封筒、カタログ、チラシ、名刺などの印刷全般から、販促物などのアッセンブル作業、ビク抜き加工を行っている印刷会社である。
柴田社長がコロコロコインを開発するに至ったのは、12年前に禁煙をしてから生活習慣にしている、500円硬貨の貯金が発端になっている。「初めは缶に、次に見て分かるように透明のプラスチックケースに500円硬貨を入れていましたが、紙と紙の間に挟むような紙製の貯金箱を考えていたところ、提携しているデザイナーから、紙の貯金箱を作るのであれば、単に入れるよりもコロコロと転がしたほうが面白いと提案されました。そこから思案し、コインの通り道を傾斜にすることで、自然とコインが転がって下から積み上がっていくという設計を考えました」と、柴田社長は趣味で始まった500円硬貨の貯金が発展してコロコロコインの発案に至ったと述べる。
最初は同社のお年賀用として得意先に渡す販促品だったが、昨年、OEM商品ではあるが、提携デザイナーのデザインで、自衛隊向けバージョン「陸上自衛隊」「海上自衛隊」「航空自衛隊」「ブルーインパルス」の4種類を初めて商品化した。自衛隊が開催する各駐屯地や基地のイベントでコンスタントに売れているという。
コロコロコインは、同社が絵柄をデザインし製作したものをオリジナル商品として販売することを基本にしているが、クライアントのオリジナル製作も受注している。「クライアントがお客さんに配る販促品やキャンペーングッズに最適です。デザイン制作は当社の提携デザイナーでも請け負いますが、クライアントにはデータ作成用のテンプレートを送っていますから、それを基にIllustratorを使ってデータを作成し入稿していただければ、後は当社が印刷、加工、納品まで一貫体制で生産します」とのことだ。見積価格は数量や仕様によって異なるが、制作の最低ロット数は相談に応じるとのこと。
サイズはA4版で500円硬貨が30枚入るものがベーシックな形状になる。国産の厚ボール紙を使い、湿気に強く反りにくい構造になっているのが特長だ。「プラスチック製なら落としたら割れる場合もありますが、この商品は割れません。かなり丈夫に作っています。表面はビニール加工を施していて傷が付きにくく、濡れてもすぐに拭けば大丈夫です」と、耐久性は抜群だ。
厚さは約4mmで壁に掛ければ場所を選ばず飾ることも可能。飾る場所がなければ、本や雑誌と一緒に本棚に差し込んでおけば、場所をとらずに保管することができる。また、紙製であるため地球環境に優しく、自由な発想でオリジナルデザインの印刷ができて、短納期で低コストと、メリットは多い。なお、販売価格は1部500円。
また、実用新案を取得済みなので、他の業者が真似をして作ることを防いでいる。今まであるようで無かった商材であり、さまざまなデザインが考えられるだろう。
また同社は、11月上旬に東京都板橋区内で開催された「第22回いたばし産業見本市」に出展した。ブースには多くの来場者が訪れ手に取って見てくれたという。同時にブース内で販売も行い、好評を博し完売したとのことだ。そして、コロコロコインは平成30年度板橋製品技術大賞優秀賞を受賞した。
「紙製ですから、市販のステッカーや商材を用いて自由にデコレーションできます。実際に子供たちを集めてデコレーションをしてもらいました。子供たちには何事もコツコツと積み重ねることで継続していくことの大切さ、目標を達成する精神などを養ってもらいたいです。コロコロコインはそれを表した商品だと思っています」と、柴田社長は同商品に託す理念を述べる。
現在、同社には5名ほどの従業員がいるが、「自社にしかないオリジナル商品を扱っているということで、仕事に対する従業員のモチベーションは確かに高まっています」と、オリジナル商品は従業員も確実に好影響をもたらしている。
最近、ゲーム関連商品の印刷加工をしている会社から引き合いがあった。また、実際にまとまった見積依頼をしてくる会社も出てきた。「まだまだ認知度が低いため、今後は広報宣伝に力を入れていく必要があると思っています。一般のお客様には、紙製のためか丈夫ではないという先入観を持たれてしまいますが、展示会やイベントで実際に手に取ってもらえれば、丈夫で長く使えることが分かってもらえるはずです。まだ発売したばかりなので、これから本格的に売っていきます。息の長い商品になればと考えています」と、柴田社長はオリジナル商品のコロコロコインで需要を喚起し市場を開拓していく考えである。

コロコロコインオリジナル商品の「宇宙」と「禁煙のバージョン」
自社のオリジナル商品の開発・販売は従業員のモチベーション向上に繋がる

「いたばし産業見本市」での同社のブース
