月刊GCJ
GCJパーソンズ
(180) 石川 雅章
笑顔を創造するオウンドメディアコーディネーター
メディアコーディネーターとして活躍されている、株式会社エスクリエイト代表取締役の石川雅章さん。静岡県内の企業や店舗の商品の販促展開、ブランディングを請け負って次々と成果を上げている。その新しいアイデアを生み出すチャレンジ精神は、就職した株式会社モトヤで培ったビジネスの基礎にあるという。家業の印刷会社を継いだ後は、独自の手法で新しい事業を次々と立ち上げて業態変革し、行き詰まっていた経営を改善してきた。従来の印刷業の枠を超えてその才能を思う存分発揮している。石川社長の印刷業に対する考え方、いま取り組んでいるビジネスなどについて話を伺った。
石川 雅章 ISHIKAWA MASAAKI
- PROFILE
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1972年静岡県生まれ。1994年東海大学工学部経営学工学科卒業後、株式会社モトヤに入社。DTPインストラクター、営業部門を経て1998年石川印刷株式会社(現エスクリエイト)に入社。2003年東京営業所を港区に設立。2006年株式会社エスクリエイトに商号変更し、代表取締役に就任。2011年静岡経営革新激励表彰受賞。2013年「もえしょく®プロジェクト」運営本部のスーパーバイザーに就く。2015年K-mix静岡エフエム放送代理店。2017年株式会社ビジョンの代理店となりインバウンド事業部を設置。
「もえしょく®プロジェクト」のスーパーバイザーを展開
——社長になられてから経営方針はどうされたのでしょうか?
石川同じ苦労するなら若いうちに苦労しようと、34歳の時に父親に進言して代表取締役に就任しましたが、設備に依存しないで、サービスに基軸を置いた経営に注力することにしました。そして、お客様も社員も仕事を通じて笑顔になってもらおうと、経営理念に「笑顔の創造」を掲げました。また、サービスの「S」と、笑顔のスマイルの「S」の2つ「S」を創り上げていく会社にしたいと、「エスクリエイト」に社名を変更しました。とにかくいいと思ったビジネスは次々とチャレンジし、形にしていきました。
——コンテンツ事業の「もえしょく®プロジェクト」についてお聞かせください。
石川「もえしょく®プロジェクト」は、三島市内にある株式会社ハイスペックという会社が立ち上げたものですが、地域の物産・名産・企業などのPR活動を支援していくサービスです。最初、成り行きを見ていましたが、キャラクターでPRされる商品が売れているのを見て、このプロジェクトを活用すれば、さまざまな印刷物や販促物の仕事が入ってくると考え、全国展開の仕組みを作ってスーパーバイザーとなって代理店開拓を始めたのです。キャラクターのデザインは、同プロジェクトに登録している約5,000人のデザイナーが、テーマに沿って自由に応募します。その中からクライアントが選考しグランプリを決定し、商品のキャラクターとして採用する仕組みになっています。キャラクターが採用されますと、カタログからホームページ、パッケージ、販促物などのさまざまなメディア制作が必要になりますから、それらの仕事を受注するようにしたわけです。そうしますと、実際にキャラクターを創って販促展開したいという店舗や企業が現れはじめ、コンスタントに仕事が入ってきて、収益を上げることができるようになりました。
いま「もえしょく®プロジェクト」を当社だけでなく、全国の印刷会社さんにも活用してもらおうと、各都道府県に3社まで代理店を募集しています。近年はキャラクタービジネスが強みであり、インバウンドビジネスも盛んですから、同プロジェクトはまだまだ伸びていくと考えています。
オウンドメディアのノウハウを伝授し支援するビジネスも開始
——なるほど。印刷会社に向けて、特に訴えておきたいことは何でしょうか?
石川自社でコントロールできるオウンドメディアを持てるかどうかがポイントになるでしょう。当社では平成26年にフェイスブックで「静岡人」という企画をスタートさせて、静岡県に関するコンテンツを発信しファンづくりをしていますが、静岡のいいところをブランド化して、静岡人を集めるわけです。静岡の方言、観光、グルメ、スポーツ、文化、歴史などをフェイスブックで紹介し、皆さんから「いいね」やコメントを寄せてもらいます。フェイスブックで始めたのは、さまざまな角度から高い効果測定ができるからですが、現在はページフォロワーが1万7,500人ほどになっています。
——それだけ多くの人から支持されれば、企業が注目するようになりますね
石川はい。1万人を超えた頃から一気にビジネスになってきました。「静岡人」では一切広告を出しておらず、自力でファンを集めました。K-mix静岡エフエム放送では企業や店舗の人に出演してもらい、商品を広報宣伝する機会を提供し、メディアミックス戦略によってファンとの距離を近づけ、お客様を囲い込み、他社にはないサービスでPRをしています。
「静岡人」は、お客様が自ら参加して皆で盛り上げるメディアで、地域活性・地域連携がポイントになりますから、地元の企業からコラボレーションやイベントの引き合いが多くなります。当社では企業の商品やサービスに関するさまざまな印刷物や販促物の制作、イベント企画の設営などの仕事を請け負うことができます。もちろん、当社だけで全ての制作に対応するのは困難ですから、同業者にアウトソーシングして共に収益を上げていくことになりますが…。
——印刷会社、企業、静岡県民の方、3者それぞれがメリットを享受できる関係になっているのですね。
石川ええ。「静岡人」のようなオウンドメディアを保有することは、印刷会社にとって新しい事業を確立できるだけでなく、社員の人材育成にもつながります。また、当社では「ケチャップのドバドバしずおか」という静岡県全域に放送されるラジオ番組を保有していて、協賛企業からの収益を得ています。このように自社のオウンドメディアとSNSやツイッター、口コミによるアーンドメディア、テレビ・新聞・ラジオ・ネット広告などによるペイドメディアの3つのメディアを通じて、商品・サービス・企業ブランドを育てて売上アップにつなげていく必要があると考えています。
しかし、これらのメディアはすぐに成功させて収益に結び付けるのは難しく、じっくりと年月をかけて育てていかなければ成功しません。どの企業も面倒で手間が掛かるためやろうとしませんが、当社ではそれをやってきましたから、現在さまざまな業種の企業や店舗の方から仕事の依頼を受けるようになりました。どこの企業でも、すぐに結果や利益が得られるビジネスばかりに目を向けますが、すぐに結果が出るビジネスはすぐに消えていくものです。だから、じわりじわり積み重ねていくことが大切だと思います。
そこで「静岡人」の手法を広めようと、印刷会社向けにオウンドメディア・マーケティングプログラム「COC(クロスオーバー・コンダクター)」の導入を提案しています。「あなたは何人?」という観点で、例えば、「静岡人」と同じような各県人でも構いませんが、「タコ焼き人」「ゴルフ人」「印刷人」など、趣味や仕事に関するテーマを決めてもらって、オウンドメディアのマネタイズ化の目標設定、運営のノウハウなど、準備と立ち上げに関するサポートを行っています。重要なのはコンテンツですから、コンテンツの作り方を学んでいただき、ファンを獲得することで仕事につなげる手法を確立してもらえればと考えています。面白いオウンドメディアを運営することができれば、仕事が自然と舞い込んできます。興味を持っていただけましたら、お問い合わせください。
